宇宙が大きいことは、だれでも知っています。でも、それをわかって考えるのは、かなーり難しいです。日常感覚になれたノーミソの容量を超えるからですな。そこをなんとかするのが、くらべる世界。今回は、宇宙についていろいろくらべてみちゃってる映像をご紹介いたします。

人間は、大きさをわかるのが、苦手です。ありがちなのが家具の買い物で、つい大きすぎる家具を買ってしまって、玄関からはいんねーよとか、そんなんよくありますよね。先日も某ゲーム機がテレビボードにおさまらないのを、購入してから気づき、あわてふためいたワタクシでございます。

まして、宇宙の大きさとか、距離なんて、本当にわからんですよね。たとえば、地球と月の大きさと距離を、まあ正しく描くとどんな感じかというと、たいていはこんなイメージなんですが。

正しくは、こんな感じです。あ、測らないでざっくり描いてますが、地球の直径の30倍のところに月があります(地球の直径1.3万km、地球-月間の距離38万km)。

月、遠いわっ!

こんな風に、正しいスケールでくらべると、いろいろイメージがわいてくるのです。さて、ネットを見渡すと、そんなくらべてみるネタがいっぱい。何をみても楽しいのでございますので、今回はいろいろごしょーかいしちゃおうってなものですよ。

まずは、太陽系から。英語サイトで恐縮ですが、地球と土星と太陽がわかれば、OKです。右端が地球じゃないですよ。左の赤いのが太陽で、そこから3番目の青い小さいやつが地球です。

太陽系惑星の大きさの比較 出典:A Sence of Scale

これは、大きさだけを比べて、距離は正しくありません。距離は下の図のとおりです。えー、Earthが地球で、Saturnが土星ですな。図で、太陽(Sun)が0.2ピクセルなら、地球(Earth)は0.002ピクセル、土星(Saturn)が0.02ピクセルなのでございます。太陽1ピクセルにもならないのかよ!

太陽系惑星同士の距離の比較 出典:A Sence of Scale

太陽系で、比較をマジメにやっておもしろいのは、国立天文台にある4D2Uナビゲーターですな。太陽系どころか、宇宙の果てまでいけちゃいます。4D2Uというのは、4次元をあなたに(to you)なんだそうです。アーチストが作っているのだそうで、ちょっと趣がちがいますなー。

太陽系には、ちっちゃいやつらもいます。そんなものの比較はこちら。たとえば、はやぶさ探査機が行った小惑星イトカワは、宙の会さんの比較図が秀逸です。

そのイトカワ(Itokawa)は、人類が探査した小惑星や彗星の中でも極小なんです。近くにあるということを優先したからなんですなー。ちなみに、右下の1P/Halleyは、ハレー彗星でございます。

小惑星・彗星の大きさの比較 出典: 欧州宇宙機関

もっと大きな小惑星、Vestaにも人類は行ってますよ。

小惑星 Vestaとの比較 出典:NASA

一方、でっかいほうです。太陽系の中では、圧倒的な存在の太陽ですが、宇宙の星としてはどうなんでしょ? ということで、太陽とほかの星を比べたムービーがこちら! おおいぬ座VY星(VY Canis Majoris)ってのが最後にでてきますが。これがギネスワールドレコードに載っている最大の星なんですな。


つづきまして、マジメとデタラメが混在する世界、SFの宇宙船の比較でございます。SFオタクDirkLoechelさんによる作品です。アメリカ人なのに、マクロスとか、宇宙戦艦ヤマトとか、銀河英雄伝説もあり、ちまちまアップデートされています。

動画もありますよー。


どうですか? 比べるっておもしろいでしょ? 最後に、古典ですが比べる名作、パワーズオブテンもごらんくださいませ。イームズさんという椅子のデザインで有名な人の、なぜか宇宙アートです。


著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。