この分析機器ニュースのまとめ
・アジレントが新しいガスクロマトグラフ「8890B GC」「8860B GC」と機器インテリジェンス「GC Assist」を発表
・統合型のモニタリング、診断、トラブルシューティング、保守支援により、計画外ダウンタイム低減とデータ品質向上を狙う
・8890Bは柔軟性と冷却性能、8860Bは同時デュアルインジェクションによるスループット向上を図った
アジレント・テクノロジーは6月11日、ガスクロマトグラフ(GC)の新製品「8890B GC」と「8860B GC」、ならびに機器インテリジェンス機能「GC Assist」を発表した。最新のGCハードウェアに、統合型のシステムモニタリング、診断、ステップバイステップのトラブルシューティング、メンテナンス支援を組み合わせることで、ラボの計画外ダウンタイム低減、データ品質向上、運用効率化につなげる狙いである。
新GCとGC Assistで分析性能と生産性を向上
同社によると、GC Assistはラボの安全なネットワーク内でシステムをモニタリングし、内蔵のトラブルシューティング手順を実行して、分析機器にリモート接続するための先進的な機器インテリジェンスだという。ローカルでもリモートでも機器ステータスを把握できるほか、データ品質の追跡やトラブルシューティングの実行が可能になる。
結果が所定の品質管理限界を超えた場合にはシステムがこれを検知し、メンテナンスが必要な際にはユーザーへ通知するとともに、ステップバイステップのガイダンスと手順を提供する。これにより、熟練度にかかわらず一貫した操作と保守を実行しやすくし、再分析の削減や時間・リソースの節約にもつなげるとしている。
8890Bは冷却性能と柔軟性、8860Bはスループットを強化
新しいGCシステムでは、8890Bと8860Bの両機種で使いやすさを高める機能を強化したとする。オーブン内照明によりメンテナンス時の視認性を高めたほか、オンボードのメンテナンスビデオにより、初心者でもルーチン作業を完了しやすくした。
8890B GCでは検出器のポジションが追加され、バルブ構成内に最大4台の検出器を搭載できるようにした。また、オーブン冷却速度は従来モデル比で30%向上しており、既存メソッドの条件を変えずに注入間のサイクル時間を短縮し、1日当たりのサンプルスループット向上を図れるとしている。
一方の8860B GCは、同時デュアルインジェクションに対応することで処理能力を高めた。ラボの限られたリソースの中で、より高いスループットを求める現場ニーズに応える位置付けとなる。
計画外停止の低減と再現性向上を支援
なお、ラボの現場は限られた人員や時間の中で高品質なデータを提供するプレッシャーにさらされていると同社では認識を示しており、GC Assistによって機器プラットフォームにインテリジェンスを組み込むことで、科学者は問題を早期に特定し、性能を維持しながら分析業務そのものに集中しやすくなるとする。
とりわけ、システムの問題や品質管理基準への不適合が原因で発生する再分析を減らせる点は、運用効率だけでなく持続可能性の観点からも意味がある。計画外停止の低減、データ品質の維持、一貫性と再現性の高い結果の提供を通じて、日常分析の安定化を支援する狙いがあると見ることができるだろう。

