この半導体ニュースのまとめ

・NTTPCがRTX PRO 6000 Blackwellを8基搭載したフィジカルAI向けGPUクラウドを開始
・OmniverseやIsaac Simに対応し、ロボットシミュレーションやデジタルツイン構築を支援
・占有型ベアメタル環境を月額160万円、標準納期10営業日で提供

NTTPCコミュニケーションズは9月2日、ロボティクスやフィジカルAIの開発に向けた「GPUクラウド for フィジカルAI」を、8月1日から提供したことを発表した。

同サービスは、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Editionを8基搭載し、顧客がサーバを占有するベアメタルGPUサービスとして提供するもので、同社によると、国内の主要GPUクラウドサービス事業者が同GPUを採用するのは初めてだという。

  • RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUカードとRTX PROサーバ

    RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUカードとRTX PROサーバ (出所:NTTPCコミュニケーションズ)

OmniverseとIsaac Simによるシミュレーションに対応

NVIDIA Omniverseライブラリや、オープンなロボティクスシミュレーションフレームワーク「NVIDIA Isaac Sim」の実行環境として利用が可能で、製造設備や物流施設などを仮想空間に再現するデジタルツインの構築に加え、ロボットの動作検証、AIモデルの学習に用いる合成データの生成などに対応する。これにより、実環境でロボットを動かす前に、仮想空間で認識や判断、動作を繰り返し検証することが可能となり、開発期間や実機試験に伴う負担の削減を図ることができるようになるという。

  • フィジカルAIシミュレーションの様子

    フィジカルAIシミュレーションの様子 (出所:NTTPCコミュニケーションズ)

また、AIモデルの学習に加え、NVIDIA NIMを活用したAIエージェント向け推論環境や、ヒューマノイドロボット向けのオープン基盤モデル「NVIDIA Isaac GR00T」の実行にも対応する。

GPUを共有しない占有型のベアメタル環境

GPUリソースを複数の利用者で共有する仮想環境ではなく、顧客専用のベアメタル環境として提供されるため、ほかの利用者の処理状況に影響されにくく、長時間のシミュレーションやAIモデルの学習などでも安定した性能を確保できるとしている。

ロボティクスやフィジカルAIの開発では、ロボットや設備の動作を再現する物理シミュレーションに加え、大規模言語モデル、視覚言語モデル、基盤モデルなどの学習・推論を同じ開発工程で扱う必要がある。RTX PRO 6000 Blackwellによって、グラフィックス処理とAI処理の双方を必要とするワークロードへ対応することが可能だとする。

また、クラウドサービスとして提供することで、GPUサーバの調達や設置、実行環境の構築に必要な期間を短縮し、必要なタイミングで開発を始めることができる点も特徴だとする。

月額利用料は160万円、標準納期は10営業日

提供構成はRTX PRO 6000 Blackwell Server Editionを8基搭載した占有型GPUサーバで、初期費用は15万円(税別)、月額利用料は160万円(税別)。最低利用期間は3カ月となる。長期利用向けの割引も用意する。

標準納期は10営業日としており、自社で同等のGPUサーバを調達し、ソフトウェア環境を構築する場合と比べて、導入までの期間を短縮できるとしている。

なお、NTTPCは今後、同サービスを起点に、フィジカルAI向けのシミュレーション、AIモデルの学習・推論、ロボット運用までを支援するサービス群を拡充するとしているほか、NTTドコモビジネスをはじめとする各社と連携し、AIの利用目的に応じてGPUやネットワーク、電力などを最適化する「AI-Centric ICTプラットフォーム」構想や、NTTグループが推進するAIネイティブインフラ「AIOWN」の実現につなげるとしている。