DOWAエコシステムは、使用済み電動車の駆動モーターなどに含まれるレアアース磁石を回収し、再資源化する技術の確立に向けた実証事業に取り組むことを9月10日に発表。環境省の令和8年度公募事業に採択されたことを受けたもの。

  • DOWAエコシステム、使用済み電動車の駆動モーターなどからレアアース磁石回収を実証へ。写真は同社が秋田県で推進してきた、ネオジム磁石回収の実証試験のイメージ

    DOWAエコシステム、使用済み電動車の駆動モーターなどからレアアース磁石回収を実証へ。写真は同社が秋田県で推進してきた、ネオジム磁石回収の実証試験のイメージ

DOWAエコシステムはこれまで、使用済み家電製品から同様にレアアース資源を回収する技術開発を進めてきており、その回収対象を電動車の駆動モーターに拡げたかたちだ。

今回、同社が提案したのは「電動車駆動モーターを対象としたレアアース磁石リサイクル技術の実証事業」。環境省の令和8年度「国内資源循環体制構築に向けた再エネ関連製品及びベース素材の全体最適化実証事業」に採択されることが決まった。

この実証では、サプライチェーンを構成する関係者の協力を得て、同社が開発してきた独自の資源回収プロセスおよび選別技術を活用し、使用済み電動車の駆動モーターなどに含まれるレアアース磁石を効率的に回収・再資源化につなげるプロセスの確立に取り組む。「電動車の普及拡大に伴い、廃車由来の駆動モーターの発生量増加が見込まれることから、これまでに培った知見や技術を活用して実証を行う」としている。

背景にあるのは、ネオジム磁石をはじめとするレアアース資源の需要の高まりだ。近年の電動車や再生可能エネルギー関連機器の普及拡大に伴い、こうした資源需要は世界的に増えているが、レアアースは産出地域の偏在や、調達リスクへの対応、国内における資源循環といった課題が指摘されてきた。

DOWAエコシステムは2025年11月、秋田県でネオジム磁石回収の実証試験を開始。エコリサイクル(秋田・大館市)で解体した家電由来のモーターに対して消磁処理を施すことで、モーターからネオジム磁石のみを取り出し、回収した磁石をネオジム磁石製造の原料として再活用することをめざしてきた。

秋田では風力発電が盛んでもあることから、発電設備で利用されたネオジム磁石のリサイクルに対する期待の高まりも見込み、ネオジム磁石リサイクルの取り組みを推し進めてきたという。

同社は「長年培ってきた資源循環に関する技術と事業基盤を活用し、レアアース磁石の資源循環技術の確立を進めることで、資源安全保障の強化と脱炭素社会の実現に寄与していく」としている。