国立科学博物館は9月15日、重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)に新規で13件を登録したと発表した。今回は、産業用ロボットの普及を支えたハーモニック・ドライブ・システムズとナブテスコの減速機などが選ばれた。
未来技術遺産は、日本の科学技術の発展を示す貴重な資料を保存し、次世代に継承することを目的に国立科学博物館が登録しているもの。科学技術の発達史上重要な成果を示す資料や、国民生活や社会などに大きな影響を与えた資料を対象としている。今回の登録により、登録件数は累計408件となった。
今回、新たに未来技術遺産として登録された13件は以下の通り。
このうち、産業用ロボットの発展を支えた技術として登録されたのが、ハーモニック・ドライブ・システムズの「ハーモニックドライブ Rシリーズ」と、ナブテスコの「精密減速機 RVシリーズ RV-135」だ。
ハーモニック・ドライブ・システムズ、産業用ロボットを支えた減速機
ハーモニック・ドライブ・システムズのハーモニックドライブ Rシリーズは、産業用ロボット興隆のきっかけとなった波動歯車減速機だ。
波動歯車減速機は、小型・軽量ながら高い減速比を得られ、バックラッシ(歯車のかみ合わせ部分に設けられる隙間)が極めて小さいといった特徴を持つ。そもそも減速機は、モーターの回転速度を落としてトルクを高める装置で、産業用ロボットでは関節部分などに使われ、アームを高精度に動かす役割を担う。
同社は1980年代、産業用ロボット向けにハーモニックドライブを改良。小型化や高トルク化などを進めたRシリーズを開発し、その後の産業用ロボットの発展を支える技術の一つとなった。
ナブテスコ、世界の産業用ロボットで使われる「精密減速機RV」
ナブテスコの精密減速機 RV シリーズ RV-135は、世界中の産業用ロボットを動かす歯車型減速機だ。
同製品は、建設機械に使用されていた減速機をロボット向けに開発したもの。産業用ロボットの減速機に求められる大減速比、小型・軽量、耐衝撃負荷、高剛性、高精度などを実現するため、差動機構と遊星歯車を組み合わせた機構を採用している。多くのロボットの機械としての性能向上に寄与した最初のモデルである点などが評価された。



