この半導体ニュースのまとめ
・ルネサスが中国・北京にフィジカルAI&ロボティクスラボを開設
・半導体やソフトウェアを組み合わせ、次世代ロボットの検証・共同開発を支援
・ヒューマノイドロボットのBOMカバー率を現在の約30%から最大70%へ拡大する構想
ルネサス エレクトロニクスは8月27日、中国・北京に「フィジカルAI&ロボティクスラボ」を開設したことを発表した。
同ラボでは、顧客やパートナー、大学、スタートアップなどと連携し、次世代ロボットの実証、検証、共同開発を進める。個別製品の展示にとどまらず、概念実証から量産・大規模展開までを支援するフィジカルAIの開発拠点として活用する。
ロボット全体の動作をシステムレベルで検証
ヒューマノイドをはじめとする次世代ロボットには、周辺環境を認識するセンサ、AI推論を担うプロセッサ、関節を動かすモーター制御、パワーマネジメント、機能安全など、多様な半導体とソフトウェアが必要になる。
北京に開設された新たなラボでは、ルネサスの組み込みプロセッサ、センシング、アクチュエーション、電源、AI、ソフトウェアなどを統合し、ロボット全体の動作や性能をシステムレベルで検証することで、顧客が個々の半導体やソフトウェアを別々に評価・統合する負担を軽減し、消費電力、応答性、安全性、信頼性などを確認しながら共同開発を進めることができるようになるとしており、同社のフィジカルAI戦略を推進するハブとして、概念実証から大規模展開に至るまでの役割を担うという狙いがある。
ヒューマノイドロボットのBOMカバー率70%を視野
ルネサスによると、ロボットの頭脳や動作制御、センシング、アクチュエーション、パワーマネジメントなどの主要領域に製品を展開しており、それらの製品ポートフォリオはヒューマノイドロボットの構成要素であるBOMの約30%をカバーする範囲とするが、今後、制御、パワー、センシング、AI、ソフトウェア、エコシステムソリューションにおける強みを生かすことで、その範囲を70%まで高められる可能性があるとしている。
新ラボを通じて顧客の設計要件を早期に把握し、複数の半導体とソフトウェアを組み合わせたシステム提案を強化することで、個別部品の供給からロボット全体を支えるプラットフォーム型の事業へ展開する考えだ。
フィジカルAI事業を中国のロボット産業と連携
今回のラボ開設は、ルネサスが2026年7月1日付で新設したフィジカルAI事業部に続く取り組みとなる。同社はフィジカルAIを中長期的な成長分野に位置付け、事業体制と顧客との共同開発環境の整備を進めている。
車載・産業分野で培ってきた組み込み制御や機能安全の技術と、エッジAI、クラウドベースの電子機器開発プラットフォーム「Renesas 365」などの次世代技術を組み合わせることで、顧客が安全性と拡張性を備えたロボティクスシステムの開発を推進する体制構築を目指しており、ロボットメーカーや部品メーカー、大学、スタートアップ、製造サプライチェーンが集積する中国に開発拠点を設けることで、現地の顧客ニーズをそうした製品やソリューションへ反映しやすくし、ヒューマノイドをはじめとする次世代ロボットの開発ならびに量産展開の支援していくとしている。
