この半導体ニュースのまとめ
・ルネサスの2026年第2四半期はNon-GAAPで売上収益4053億円、営業利益1327億円と会社予想を上回る
・自動車向けは日本や中国を中心に堅調、IIoTはデータセンター関連需要が上振れ
・第3四半期は売上収益4300億円(中央値)を予想、AI/データセンター向けを中心に強い需要継続を見込む
2026年第2四半期は売上・利益ともに会社予想を上回る
ルネサス エレクトロニクスは7月31日、2026年12月期第2四半期の決算を発表した。Non-GAAPベースの売上収益は4053億円、売上総利益率は58.1%、営業利益は1327億円、営業利益率は32.7%、EBITDAは1543億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1133億円となった。
同社は第2四半期について、売上収益が会社予想の中央値比で4.5%上振れて着地したと説明している。上振れ要因の半分強は為替影響だが、それ以外では自動車向け、産業・インフラ・IoT向けともに需要の増加が寄与したという。
売上総利益率も会社予想比で1.1ポイント上振れた。円安、製品ミックスの改善、製造費用の減少がそれぞれ寄与したとしている。営業利益率は32.7%となり、予想中央値比で3.7ポイント上振れた。売上・売上総利益の改善に加え、営業費用が想定を下回ったことも寄与した。
なお、IFRSベースでは売上収益が4184億円、営業利益が1021億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益が1492億円となった。IFRSベースの四半期利益には、Wolfspeed関連の金融資産に関する金融収益を計上した影響が含まれる。一方、タイミング事業の譲渡益は第2四半期には含まれておらず、第3四半期以降に計上される予定としている。
自動車向けは日本と中国を中心に堅調
自動車向け事業は、全体として想定よりもエンド需要が強かったという。同社の柴田英利 取締役 代表執行役社長 兼 CEOは説明会で、日本での第4世代R-Carの立ち上がりが順調であることに加え、日本、中国、欧州などで第1四半期からの反動増や、一部顧客による在庫積み増しの動きがあったと説明した。
同社は第3四半期についても、自動車向け需要は前年同期比では強い水準を維持し、前四半期比ではエンド需要がほぼ横ばいで推移するとの見方を示している。中国では28nmマイコンなど新製品の伸長を見込むほか、日本では全般的な需要増や在庫補充の動きも寄与するとしている。
自動車需要の見方について、柴田CEOは、リストッキングと半導体搭載数の増加の双方があると説明。ルネサスとしては、第4世代R-Carや28nmマイコンなどが新たな成長をけん引する製品であり、日本と中国は相対的に安定して伸びる一方、欧州は不透明感がやや高く、米国は大きく伸びる感覚はないものの安定的に推移しているとの見方を示した。
IIoTはデータセンター関連がけん引
産業・インフラ・IoT向け事業も、会社予想比で全面的に上振れた。
産業向けでは、データセンター関連と中国向け需要が強かったとする。インフラ向けでは、これまでGPU顧客向けが大きかったが、ASIC向け需要も強く立ち上がっており、想定を大きく上回ったという。
データセンター関連では、MPU需要の強さを背景に、メモリインタフェース製品の伸びが継続しているほか、デジタルパワーも強い状況が続いている。特に第2四半期は、同社が高いシェアを持つ顧客向けの需要が強く、顧客需要の伸びがルネサスの売上増に直結しやすい構造だったとする。
もっとも、供給面は引き続きタイトだという。柴田CEOは、現時点では大きなブレークスルーがあったというより、少しずつ供給を増やしている段階だと説明。年末から2027年にかけて、より大きな供給能力の増加を見込んでいるとした。
IoTはメモリ不足の影響を受けつつも微増を見込む
IoT分野では、メモリ不足やメモリ価格上昇の影響が一部で出始めているという。ただし、同社の主要顧客では、影響をある程度吸収できている顧客や、あらかじめメモリを確保している顧客向けの売り上げが強く、第2四半期は全体として上振れた。
第3四半期については、メモリ不足や価格高騰の影響がさらに出てくると見ているものの、主要顧客を中心に堅調な売り上げを見込んでおり、IoT全体では微増程度を想定している。
AI需要の拡大に伴い、メモリやストレージの供給制約がPCやスマートフォン、IoT機器などに影響を与え始めているが、ルネサスとしては顧客ごとの調達力や在庫確保状況を踏まえながら、需要動向を見極めていく考えだ。
第3四半期は売上収益4300億円を予想
ルネサスは、2026年第3四半期のNon-GAAP売上収益について、中央値で4300億円を見込む。売上総利益率は57.5%、営業利益率は32.5%を予想する。為替前提は1ドル159円、1ユーロ184円としている。
売上収益は前年同期比28.7%増、前四半期比6.1%増を見込む。自動車向け、産業・インフラ・IoT向けともに伸長する見通しで、特に産業・インフラ・IoT向けでは、データセンターの成長に加え、産業向け需要の増加を見込んでいる。
一方、売上総利益率は前四半期比で0.6ポイント低下する見通し。稼働率上昇による改善効果はあるものの、夏場の動力費やメンテナンスコストの増加など製造費用の増加を織り込んだ。営業利益率も前四半期比で0.2ポイントの微減を見込む。
稼働率は58%、第3四半期も若干上昇へ
第2四半期の稼働率は58%となり、会社の見込みよりもインプット稼働率が増加したとする。第3四半期も若干の上昇を見込む。
同四半期の設備投資費226億円で、R&D関連が中心だったとする。ルネサスでは、中長期の成長に向けた研究開発投資を重視しているとし、R&Dについては慎重になりすぎるよりも、基礎固めに向けてしっかり予算を配分していると柴田CEOは説明していた。
一部製品で価格改定を実施
半導体価格については、7月1日から一部製品で価格改定を実施したことも明らかにした。ただし、柴田CEOは、全体として大きな値上げを行ったわけではなく、コスト上昇分を踏まえて、上げざるを得ない製品を中心に調整したものだと説明。需給がタイトであることを理由に大幅な値上げを行うというよりも、従来の価格戦略に沿った対応であり、その効果は第3四半期以降の決算に反映されてくるとの見方を示した。
データセンター向けはエグゼキューションが焦点
なお、柴田CEOは、データセンターAIを中心に、基調となる需要は非常に底堅く強い状態が続いているとの見方を示している一方で、コンシューマIoTについてはまだら模様ながら、同社が注力する顧客を中心に底堅さを維持できるとの見通しを示しており、自動車についても2026年中は穏やかなポジティブ推移を期待できるとしている。
今後の焦点は、データセンター向けを中心としたタイトなサプライチェーンに対し、いかに確実に供給を拡大していくかにある。柴田CEOは、データセンター向けではエグゼキューションが重要だとし、サプライに支障をきたすリスクを避けるため、ERP統合の一部スケジュールも来年以降へ延期したことを説明している。



