ルネサスが組み込みソフト企業を買収
ルネサス エレクトロニクスは5月7日、AI活用による視覚認識システム向け組み込みソフトウェアを手掛けるギリシアのIrida Labsの買収を完了したことを発表した。今回の買収により、フィジカルAIとソフトウェアを統合したシステムレベルのソリューション提供が可能となるという。
エッジAI分野におけるAIシステム開発には、低消費電力の組み込みプロセッサとソフトウェアの統合、AIモデルの学習および実装、そしてデータ転送に伴う遅延やセキュリティリスクへの対応などが求められるようになる。また、そうしたエッジAIとして、産業、ロボティクス、スマートシティ、IoT、農業、ヘルスケア分野など幅広い領域で活用されるビジョンAIで用いられるソフトウェアは、産業用検査やロボティクスの制御、車内センシング、交通・インフラ監視、スマートリテール映像分析、セーフティ・セキュリティシステムなどにおいて、カメラや各種センサから得られる視覚データを解釈・処理するうえで、重要な役割を担うことから、対応の強化が求められることとなっている。
Renesas 365への統合でエッジAIの開発を容易化
今回の買収により、Irida Labsの技術がルネサスの製品ポートフォリオに追加されることとなり、AI対応のRAマイコンやRZマイクロプロセッサと一緒に開発ツールやビジョンAIソフトが提供されることで、高性能かつ電力効率に優れ、速やかに導入可能なエッジAIソリューションの実現につながるという。
また、すでに両社はパートナーとして協業してきており、ハードとソフトを組み合わせたソリューションを共同で開発してきた経験を有していることから、今回の買収による統合を経ることで、より高レベルに統合されたソリューションを提供できるようになるとしている。さらに、ルネサスでは、Irida Labsのソフトウェアおよび開発ツールを、自社のクラウドベース開発プラットフォーム「Renesas 365」に統合していくことも計画しており、ビジョンAIおよびディープラーニング用途において、構想から展開まで一貫したエンドツーエンドの開発環境の提供を目指すともしている。