この半導体ニュースのまとめ
・ソシオネクストがimecの「Autonomous Edge Chiplet Program(AECP)」に参画
・自動車、ロボティクス、航空宇宙など自律システム向けチップレット技術の標準化と実用化を推進
・同社のFlexlets構想を発展させ、車載やフィジカルAI向け次世代SoCアーキテクチャの実現を目指す
ソシオネクストがimecのAECPに参画
ソシオネクストは8月3日、ベルギーimecが推進する「Autonomous Edge Chiplet Program(AECP)」に参画したことを発表した。
同社はこれまで、imecのコアパートナープログラムへの参画を通じて、先端ロジック半導体技術や2.5D/3D/5.5Dといった先端実装技術に関する研究活動を進めてきた。今回のAECP参画により、自律システム分野におけるチップレット技術の実用化に向けた取り組みをさらに強化し、高性能・高品質な最先端SoCの提供につなげる考えだ。
自律システム向けチップレット技術の実用化を推進
自動車業界では、ソフトウェア定義型車両(SDV)、高度運転支援システム(ADAS)、自動運転(AD)の進展に伴い、車載コンピューティング性能に対する要求が急速に高まっている。
これに対応するため、半導体には高機能化と大規模化が求められているが、大規模SoCでは設計規模、開発期間、歩留まり、消費電力、コストなどの課題も大きくなる。こうした中、複数の機能特化チップを先進パッケージ技術で統合するチップレット技術は、高性能化、柔軟な機能拡張、開発効率向上を実現する次世代半導体アーキテクチャとして注目されている。
一方で、車載用途では、単に高性能であるだけでなく、機能安全、信頼性、長期供給、量産品質などへの対応も不可欠となる。チップレット技術を車載や自律システムへ適用するには、インタフェースやアーキテクチャの標準化、検証手法、先進パッケージング、サプライチェーン全体での品質保証が重要になることを受け、imecでは自動車向けチップレット研究プログラム「Automotive Chiplet Program(ACP)」を展開してきた。
対象を自動車からロボティクスや航空宇宙へ拡大
AECPは、このACPを発展させた取り組みで、チップレット技術およびアーキテクチャの研究開発対象を、自動車分野に加え、ロボティクスや航空宇宙分野へと拡大する。自動車メーカー、ロボティクス企業、半導体メーカー、EDAベンダーなど、幅広い業界の企業・団体が参画する共同研究プログラムとして運営される。
同プログラムでは、自律システムに求められる性能、機能安全、信頼性、長期供給要件を満たすチップレットアーキテクチャや先進パッケージング技術の検証を進める。あわせて、標準化やリファレンス設計の確立を通じて、チップレット技術の普及と実用化の加速を目指す。
Flexlets構想を発展
ソシオネクストは、顧客ごとに最適なIPや機能ブロックを柔軟に組み合わせる「Flexlets」を提案しており、チップレット技術を活用した次世代SoCアーキテクチャの実現に取り組んでいる。
今回のAECP参画は、こうしたFlexletsの取り組みをさらに発展させるものとなる。車載半導体では、処理性能や電力効率に加え、顧客ごとの要求仕様に応じたカスタマイズ性も重要となる。チップレットを活用できれば、演算、I/O、AIアクセラレータ、セキュリティ、センサ処理などの機能を用途に応じて組み合わせやすくなり、開発効率や拡張性の向上が期待できるようになる。
また、そうした車載半導体に求められる高性能、機能安全、信頼性、低消費電力といった技術要件は、今後、フィジカルAIに代表されるロボティクスやエッジAIなどにも広がっていくとみられ、今回のAECPへの参画はそうした可能性を広げるものだと同社では説明している。