この半導体ニュースのまとめ

・STが20A/600V対応の小型IPM「STGI15C60S」の量産を開始
・既存のDBCパッケージ採用IGBT IPMと比べて実装面積を30%超削減
・エアコンやヒートポンプ、生活家電、産業用モータなどへの採用を想定

STMicroelectronics(STマイクロエレクトロニクス)は、エアコンやヒートポンプ、生活家電、産業用ドライブなどのモータ制御に向けた小型インテリジェント・パワー・モジュール(IPM)「SLLIMM Compact」シリーズを発表した。

第1弾となる「STGI15C60S」は、20A/600Vの3相IGBTインバータ・ブリッジ、ゲート駆動用制御IC、フリーホイール・ダイオード、保護回路などを1つのパッケージに集積した製品。外形寸法は18.8mm×32.8mmで、既存のDBC(Direct Bonded Copper)パッケージ採用IGBTインテリジェント・パワー・モジュール(IPM)と比べて実装面積を30%以上小型化したという。

  • エアコンやヒートポンプなどのモータ駆動に向けたSTの小型IPM STGI15C60S

    STマイクロエレクトロニクスの小型インテリジェント・パワー・モジュール「SLLIMM Compact」シリーズ。第1弾のSTGI15C60Sは、20A/600Vの3相IGBTインバータと駆動・保護回路などを小型パッケージに集積している (出所:STMicroelectronics)

20A/600Vの3相インバータを小型パッケージに集積

STGI15C60Sは、低・中出力のACモータ駆動を対象に、ハイサイドとローサイドのIGBTを駆動する2つの制御ICを搭載するほか、ブートストラップ・ダイオードと保護回路を集積。IGBTとしては、高速のソフト・リカバリ・フリーホイール・ダイオードとともに、短絡耐量に優れたSTのトレンチ・ゲート技術を採用しているため、低い飽和電圧と安定したダイナミック特性を両立し、エネルギー効率を向上させることが可能だという。

また、デュアル・インライン・パッケージの信号側にハイサイド基準出力を配置したことにより、ブートストラップ回路のレイアウトを簡略化できるとする。さらに、ドライバ回路設計とIGBTは、電磁干渉ノイズ(EMI)を低く抑えるよう最適化されている一方で、パッケージは安全性を確保するため完全に絶縁されており、2000Vrms/minの絶縁定格を備えているほか、保護機能として、低電圧ロックアウト(UVLO)や、安全でない状態または故障を検出した場合に動作を防止するスマート・シャットダウン、温度センサ、および電圧信号として測定可能な故障の通知に利用できるコンパレータ(比較器)などが搭載されているという。

なお、STGI15C60Sは26ピンのCDIPB-26L DBCパッケージで量産中で、1000個購入時の参考単価は4.35ドル。STは、インバータ、ゲートドライバ、ダイオード、保護回路を小型パッケージに集積することで、空調機器や生活家電に搭載するモータ駆動回路の小型化と部品点数の削減を支援していくとしている。