この半導体ニュースのまとめ

・ASEが、2026年末にもFOPLPの自動化量産ラインを稼働させる計画だと台湾メディアが報じた
・AI関連の高い需要を背景に、ASEは2026年に15件の新設・拡張プロジェクトを進める
・米国工場を2基から4基へ増設し、台湾型の自動量産モデルを海外展開する方針

ASEが2026年末にもFOPLP量産へ、AI需要拡大で投資を強化

半導体パッケージング・テスティング受託事業(OSAT)大手の台ASE Technology Holdings(日月光)の呉田玉・営運長(COO、最高執行責任者)が6月24日に開催された株主総会にて、2026年末にも「ファンアウト・パネルレベルパッケージング(FOPLP)」の量産を開始すると述べたと複数の台湾メディアが報じている。AI需要が高止まりしており、4月に設備投資額を85億ドルに引き上げたが、さらなる上方修正もあるともしている。

呉COOによると、FOPLPの生産そのものはすでに可能だが、年末までに量産規模での生産体制を整える予定であり、背景について「AIはもはや短期的な経済サイクルではなく、今後10年以上続く重要な産業トレンドである」との見方を示し、AIデータセンター、フィジカルAI、そしてヒューマノイドロボットなどの新市場に至るまで、すべてが半導体需要の成長を牽引し、台湾半導体サプライチェーンの発展機会をもたらすものになるとした。

2026年に15件の新設・拡張プロジェクト、2027年以降の需要に備える

こうした市場の動きを背景に、同社は生産能力の拡充に向けて、2026年に新規工場用地の建設や既存工場の拡張プロジェクトを含め、合計15件の新規もしくは拡張工事プロジェクトが進められているという。具体的には、ASEが6基、SPILが7基の工場の新設や拡張を進めているほか、米国の工場2基を4基に増設する計画で、これらの投資は2027年~2028年の需要への対応に加え、2029年~2030年にかけての市場成長の基盤を築くためのものであるという。今回の生産能力拡充は、新型コロナパンデミックの際に学んだ、需要の急増により準備していた生産能力が短期間で埋まってしまうという問題につながるもので、将来において再び生産能力が不足する問題に直面することを避けることを目指した長期的な視点に基づくものだとしている。

FOPLP自動化量産ラインは顧客認証・設備建設とも計画通り進行

こうした投資の中でも、2026年末に予定されているFOPLPの自動化された大規模量産ラインの正式稼働に向けては、顧客認証、設備建設、生産計画のすべてが予定通りに進んでおり、年末もしくは来年初めにはより具体的な成果を市場に発表できるとの考えを示している。

米国への投資を継続

なお、ASEと同じOSAT大手のAmkor Technologyは6月16日、TSMCと米国アリゾナ州での先端パッケージング・テスティングに関する10年間の契約を締結したことを発表している。この動きに対してASEでは、米国顧客との結びつきが強いことを強調し、米国市場での投資を継続していくとし、米国市場で引き続き投資を進めると述べ、現在の米国カリフォルニア州にはテスティング研究開発(R&D)生産工場2基体制から、さらに2基を増設する計画を示している。

台湾で確立した自動量産モデルを海外に展開

同社の戦略は、まずは台湾で成熟した競争力のある自動大量生産モデルを確立した後に、その成功経験を海外市場で再現するという手法であり、マレーシアの自動生産ラインは、台湾の経験を海外に輸出することに成功した好例であり、米国への今後の展開においても同様のモデルを採用する予定だという。