この半導体ニュースのまとめ

・AI/HPC需要を背景にFOPLPとガラス基板市場が急成長
・2030年に市場規模は約81億ドル、FOPLPが約45%を占める見込み
・日本含む東アジアが製造の中心、ガラス基板への投資が鍵に

Counterpoint Researchの調査レポート「2026 FOPLP and Glass Substrate Report」によると、FOPLP(Fan-Out Panel-Level Packaging:シリコンウェハではなく大型の四角いパネル基板を用いた複数の半導体チップの一括パッケージング)とガラス基板パッケージング(GSP:Glass Substrate Packaging)を合わせた市場規模は、2024年の約6億5000万ドルから、2030年には81億ドル超へ成長することが予測されるという。

複雑化するAIおよびHPCのワークロードへの対応に向けた先端パッケージング技術開発が進む中、存在感が増していくことが期待され、2030年にFOPLPが市場の45.6%を占めると予想している。

有機基板の代替技術として期待されるガラス基板

AIデータセンター向けGPUやカスタムアクセラレータでは、パッケージサイズの大型化とI/O数増加が不可避であり、従来の有機インターポーザや基板では対応が難しい領域に入っている。こうした要件を満たす手段として、パネル実装とガラス材料が現実解として浮上している。同社の日本支社長 兼 リサーリバイスプレジデントの田村喜男氏も、「パッケージの複雑化が進むにつれ、ガラス基板は従来の有機基板に代わる有望な選択肢として注目を集めるようになっている。有機材料と比較して、ガラス基板は相互接続密度、寸法安定性、反り制御において優位性があり、次世代チップレットベースのアーキテクチャや大型AIプロセッサの開発を支える存在になる」と説明している。

また、ガラス貫通電極(TGV)技術による3次元実装にも対応できる点も評価されているほか、FOPLPとの組み合わせにより、大面積パネル上に多数のダイを高密度に配置できるため、AI向け大規模プロセッサの歩留まり改善やコスト削減にも寄与する可能性がある。

主要半導体企業が投資・技術開発を加速

この分野では、TSMCがCoPoS(Chip-on-Panel-on-Substrate)を推進し、パネル実装への移行を図っている。またIntelはガラスコア基板の開発を進めており、次世代パッケージの中核技術として位置付けている。

さらに、Samsung Electro-Mechanics、ASE、PTIなどのOSAT勢もパネルレベル実装とガラス基板の量産技術確立に向けた投資を進めており、技術競争が加速しつつある。

日本がガラス基板パッケージング生産能力を拡大か?

これらの製造拠点は東アジアに集中しており、2030年には台湾、日本、中国で市場の84.8%を占めると予測している。

  • 地域・国別のFOPLP/ガラス基板パネル生産能力の市場推移予測

    地域・国別のFOPLP/ガラス基板パネル生産能力の市場推移予測 (出所:Counterpoint Research)

中でも日本はディスプレイ用ガラス基板で培った加工技術を背景に、半導体向けガラス基板の供給で存在感を高める可能性があるとするほか、材料、加工、装置というサプライチェーンが国内に一定程度整っている点も優位に働く可能性があるとする。

量産化の課題とエコシステム構築

一方で、実用化に向けてはパネルサイズの標準化、TGVプロセスの安定化、大面積基板での歩留まり向上などが商用化に向けた課題となるとする。

特にガラス基板は加工難易度が高く、量産スケールでの信頼性確保が普及の鍵となるため、エコシステム全体での協業と技術開発が不可欠だとしている。