この半導体ニュースのまとめ

・Silicon Labsが低消費電力Bluetooth LE SoC「BG2B」を発表
・Bluetooth 6、Channel Sounding、Secure Vault Highに対応し、セキュアな距離測定や位置認識を支援
・CAN-FD、LEDドライバ、デュアルADCなどを統合し、IoT機器の小型化とBOM削減に貢献

低消費電力Bluetooth LE SoC「BG2B」を発表

Silicon Laboratories(Silicon Labs)は8月4日、同社のBluetooth LE SoCとして最も低消費電力をうたう「BG2B」を発表した。

BG2Bは、同社の「Series 2」に属するBluetooth Low Energy(LE)ワイヤレスSoCで、電池駆動のIoT機器に向けて、低消費電力、セキュリティ、周辺機能の統合を組み合わせた製品と位置付けられる。

  • Bluetooth LE SoC「BG2B」

    Bluetooth LE SoC「BG2B」のパッケージ外観と適用アプリイメージ (出所:Silicon Labs)

Bluetooth LE機器では、単純な無線接続に加え、セキュアな距離測定、位置認識、高度なセキュリティ、センサや表示系との連携などが求められるようになっている。一方で、電池寿命や小型化、システムコストの制約は依然として大きい。BG2Bは、こうした要求に対し、Bluetooth 6、Channel Sounding、Secure Vault High、CAN-FD、LEDドライバ、デュアルADCなどを1チップに統合することで対応する。

Channel Soundingでセキュアな距離測定に対応

BG2Bの特徴の1つとしてBluetooth Channel Soundingへの対応がある。Channel Soundingは、Bluetoothを用いた距離測定や位置認識を実現するための技術で、電子キー、資産トラッキング、スマートロック、ウェアラブル、スマートホーム機器、電子棚札などへの応用が想定される。

BG2Bでは、Mode 3、Normalized Attack Detector Metric(NADM)、Inline Phase Correction Term(Inline PCT)などの高度なChannel Sounding機能をサポート。AppleおよびGoogleのBluetooth Channel Sounding仕様への対応も視野に入れており、主要モバイルエコシステムとの相互運用性を意識した製品となる。

Silicon Labsは、ロイヤリティフリーの測距ライブラリ、ソフトウェア、ツール、エンジニアリングサポートを含むChannel Sounding開発ソリューションも提供することで、開発者にBluetooth LE機器を用いた距離測定や近接認識機能への対応の容易化を図るとしている。

従来品比でMCU動作電流を14~15%低減

同社はBG2Bについて、自社Bluetooth LE製品ポートフォリオの中で最も低消費電力のデバイスと説明している。具体的には、従来の最小電力Bluetooth LE SoCと比べて、MCUアクティブ電流を14~15%低減したほか、Bluetooth受信電流も低減。RAM保持時のEM2スリープ電流は1.1μAとしている。

低消費電力化に向けて、BG2Bはデュアル出力DC/DC電源アーキテクチャとマルチコア設計を採用。アクティブ時、受信時、スリープ時の各動作モードで効率を高めることで、ワイヤレスセンサ、資産タグ、スマートロック、リモコン、ウェアラブル、電子棚札など、長時間駆動が求められる機器の電池寿命延長を支援するとしている。

CAN-FDやLEDドライバを内蔵し、統合度を向上

また、周辺機能の統合度も高めている。例えば内蔵したCAN-FDにより、商用車、フリート管理、産業機器、保守用途などで、別途Bluetoothブリッジデバイスを追加することなく、ワイヤレス診断や監視を行うことを可能としている。車両診断や産業機器の状態監視では、有線ネットワークとBluetooth LEを組み合わせた接続ニーズが高まっており、CAN-FDの統合は部品点数削減につながるとする。

さらに、LEDブーストおよび4チャネルLEDシンク機能を内蔵することで、外付けLEDドライバ回路を不要にできるため、電子棚札、スマートリテール機器、RGBW LEDによる状態表示を必要とする電池駆動機器などで、BOMコストと基板面積の削減が可能になるともしている。

このほか、同時アナログサンプリングに対応するデュアル12ビットADC、より正確な電池状態推定に向けたVariable Resistive Load(VRL)、拡張メモリ、各種通信ペリフェラルも備える。

Secure Vault Highでセキュリティ要件に対応

加えて、接続機器の普及に伴い、IoT機器にもより高いセキュリティ要件が求められていることを踏まえ、独自セキュリティ技術「Secure Vault」を搭載。デバイスID、ファームウェア、暗号鍵、機密データの保護に対応したともする。

欧州連合(EU)のCyber Resilience Actなど、今後強化されるサイバーセキュリティ規制への対応を視野に入れ、PSA Level 3準拠をサポートする設計を採用したとするほか、同社のCustom Part Manufacturing Service(CPMS)と組み合わせることで、製造時にデバイス固有のID、証明書、暗号資格情報を安全に書き込むなどのセキュリティ対応を打ち出している。

なお、同製品は現在、アーリーカスタマーエンゲージメントプログラムを通じて提供されており、モジュールを含む初期量産ハードウェアは2027年に提供される予定としている。