この半導体ニュースのまとめ
・ロームが600V耐圧SJ MOSFETに高放熱表面実装パッケージDFN8080-5LとTOLLを追加
・一般品互換のゲートしきい値電圧3〜5V設定とアドミタンス特性改善で汎用性と低損失を両立
・AIサーバーや産業機器用電源向けに2026年6月より順次量産を開始
ロームは6月11日、600V耐圧Super Junction MOSFET(SJ MOSFET)の新シリーズとして、高速スイッチングタイプの「R60xxXNxシリーズ」21機種と、高速リカバリ特性を持つPrestoMOSタイプの「R60xxWNxシリーズ」11機種を開発し、2026年6月より順次量産を開始したと発表した。表面実装パッケージのDFN8080-5L(8.0mm×8.0mm×0.85mm)およびTOLL(11.68mm×9.9mm×2.3mm)を新たにラインアップし、AIサーバや産業機器用電源など、省スペースと高電力密度が求められるアプリケーションへの対応を強化する。
データセンターの電力需要増大で高放熱パッケージの採用が拡大
データセンターや産業機器分野では、処理負荷の増大に伴い電力需要が増加しており、電源の高効率化が強く求められている。また機器の小型化が進む中で、限られたスペースで高出力を実現するには、電源回路のさらなる高電力密度化と省スペース化が不可欠となっている。
こうした要求に応えるため、Super Junction MOSFETでも放熱性に優れた表面実装パッケージの採用が拡大しているほか、調達リスク低減の観点からマルチソーシング設計やセカンドソース確保のニーズも高まっており、既存の一般品との互換性も重要な要件になってきているという。
しきい値電圧3~5V設定とアドミタンス特性改善で汎用性向上
新シリーズは特性面において、MOSFETをオンさせるために必要なゲートしきい値電圧を一般品で広く使われている3~5Vに設定し、幅広い駆動条件に対応した。さらに既存シリーズからアドミタンス特性を改善しており、ゲート制御への応答性を高めることでスイッチング損失を低減しつつ、幅広い回路条件への対応を可能としている。
表面実装パッケージについては、一般品と互換性の高いランドパターンに対応することで汎用性を確保した。これにより、既存の電源回路における置き換え検討やセカンドソース選定が容易になるとしている。
高速スイッチングとPrestoMOSの2タイプで計32機種を展開
ラインアップは、高速スイッチングタイプの「R60xxXNxシリーズ」21機種と、ロームオリジナルの高速リカバリダイオード内蔵PrestoMOSタイプの「R60xxWNxシリーズ」11機種で構成される。パッケージはDFN8080-5L、TOLL、TO-220AB、TO-220FM、TO-247の各種に対応し、互換性を重視した設計から低損失を重視した設計まで、用途に応じた選択が可能となっている。
PrestoMOSは、Super Junction MOSFETの高耐圧・低オン抵抗特性はそのままに、内蔵ダイオードの逆回復時間を高速化した同社独自のパワーMOSFETで、インバータ回路を搭載したアプリケーションでのスイッチング損失低減に寄与するという。
サンプル価格900円、TOLLパッケージ品からオンライン販売開始
なお、サンプル価格は900円(税別)で、インターネット販売はTOLLパッケージ品から対応を開始。想定されるアプリケーションとしては、AIサーバ・データセンター用電源、産機・民生向け電源(LLC、PFC、FlyBackなど)、ファンやACサーボなどのモーター・インバータなどとしており、今後もSuper Junction MOSFETのラインアップ拡充を進めるとともに、650V耐圧品および次世代製品の量産も予定しているとのことで、市場ニーズに対応を図っていくとしている。
