この半導体ニュースのまとめ

・ロームが車載48V電源システム向け80V耐圧MOSFETを開発
・小型パッケージと放熱性向上により高効率と高信頼性を両立
・車両電動化に伴う電力需要増に対応し量産を開始

ロームは5月28日、車載半導体として48V電源システム向けの80V耐圧MOSFET「AG16xFNxxシリーズ」を開発したと発表した。電動化が進む車載分野において、電力効率の向上と高信頼性を両立するパワー半導体として展開する。

自動車の電動化で拡大する48Vシステム

自動車分野では、先進運転支援システム(ADAS)や電動化機能の搭載拡大により電力需要が増加しており、より効率的な電力供給手段として、従来の12Vシステムから48Vシステムへの移行が進みつつある。

こうした用途において、電力変換時の損失低減と高効率化が求められ、パワー半導体にも専用設計が必要となることから、その対応を目的に80V耐圧MOSFETを新たに開発したという。

小型化と放熱性で高効率を実現

同シリーズは、従来の車載MOSFETで一般的に使用されてきた大型パッケージに比べて小型パッケージを採用。これにより実装面積の削減とシステム設計の自由度向上が期待される。

加えて、銅クリップボンディング技術を採用することで放熱性能を向上させ、大電流対応と低損失動作を可能としている。これにより電力変換効率の向上に寄与する構成となっている。

実装信頼性と車載品質を確保

実際のパッケージとしては、ガルウィングリードを採用した4.9mm×6.0mmのHPLF5060とはウェッタブルフランク形成技術端子を採用した3.3mm×3.3mmのDFN3333を用意。基板実装時の接合品質を高めたことで、はんだ接合部の信頼性を向上させるとともに、検査性の改善にもつなげることが可能となるとする。

  • aHPLF5060パッケージとDFN3333パッケージの外観

    HPLF5060パッケージとDFN3333パッケージの外観 (出所:ローム)

また、車載向け品質規格であるAEC-Q101に準拠しており、厳しい温度環境や振動条件下でも安定動作が求められる車載用途に対応する。

インバータや電動機用途での採用を想定

ロームでは、同シリーズについて主機インバータ制御回路や電動モータ、電動ウォーターポンプなど、車載48Vシステムの主要構成要素での利用を想定している。

すでに2026年4月よりHPLF5060パッケージ品「AG160FNS4FRA」と、DFN3333パッケージ品「AG166FNH7FRA」の量産が進められており、サンプル価格は500円(税別)としている。また、近日中にもラインアップの拡充も行う予定としているほか、9.9mm×11.7mmのTOLG(TO-Leaded with Gullwing)パッケージ品の開発にも着手済みとのことで、高電力・高信頼の80V耐圧MOSFET製品群をさらに拡充させていくとしている。