7月22日~23日に開催された「日本DX大賞2026 サミット&アワード」。本年で5回目となる同アワードにおいて、今回からDXを推進した人材を賞賛する個人表彰が設立された。

23日には個人表彰の表彰式が開催され、プレゼンターは、ノンフィクションライターの酒井真弓氏、ディアワンダー 代表取締役CEO & CWOリアルディア 代表取締役CEOの前刀禎明氏、ノーコード推進協会 代表理事/アステリア CXO(最高変革責任者)・首席エバンジェリストの中山五輪男氏、日本デジタルトランスフォーメーション推進協会 代表理事の森戸裕一氏が務めた。

本稿では、個人表彰で選出された4部門6名の受賞者を紹介する。

日本DX大賞の開催レポートはこちら

DXリーダー賞

組織内でDX推進をリードし、周囲を巻き込みながら変革を実現した人物を表彰する。

岡田俊樹氏(豊田市上下水道局 企画課)

  • 人物写真

    (左から)前刀禎明氏、岡田俊樹氏

評価ポイント:衛星とAIを用いた水道管の「健康診断」という海外の水道DX技術を全国で初めて導入し、漏水調査のコスト・期間を大幅に削減。予算・補助金ゼロでスタートアップとの実証を重ね、「デジ田甲子園2023」内閣総理大臣賞の受賞や国土交通省KPIへの採用にもつなげ、自治体の枠を超えてインフラ維持管理のDX社会実装モデルを確立した推進力を高く評価しました。

坪内知佳氏(GHIBLI 代表/SENDANMARU 代表)

  • 人物写真

    (左から)前刀禎明氏、坪内知佳氏

評価ポイント:一次産業の現場でデジタル化を進め、地域内の多様な関係者をまとめて成果へと結実させた取り組みを評価。漁業の現場における変革と、地域活性化への高いインパクトを生み出した点を高く評価しました。

DXエキスパート賞

外部専門家として他者のDX推進を支援し、成果を上げた人物を表彰する。

奥田正浩氏(同志社大学 理工学部 教授)

  • 人物写真

    (左から)酒井真弓氏、奥田正浩氏

評価ポイント:画像工学と機械学習の専門性を活かし、産学連携を通じて中小企業の現場課題の解決に取り組む。コマツ株式会社との連携で開発した壁紙識別アプリ「かべぴた」により、従来数時間を要した品番特定を数秒に短縮し、3万ダウンロードを記録。研究室発スタートアップ「VIG LAB」を通じて研究成果の社会実装を継続するなど、専門知を中小企業のDXへ橋渡しする活動を高く評価しました。

AIインパクト賞

AI活用により顕著な成果を上げた人物を表彰する。

山口比奈子氏(タキヒヨー マーケティングセクション マーケティングチーム 兼 DX推進チーム)

  • 人物写真

    (左から)中山五輪男氏、山口比奈子氏

評価ポイント:非エンジニアの立場から独学とリスキリングでAWS認定資格を取得し、生成AI(AWS GenU)を活用してBI基盤・需要予測・効果測定などを内製化。全社で月450時間の工数削減とAWS公式事例化を実現した。AIによって個人の能力が大きく拡張され得ることを自ら実証し、社内に「学びと挑戦」の連鎖を生み出した点を高く評価しました。

まじん氏(Google Workspace×AI研究家)

  • 人物写真

    まじん氏(上)と中山五輪男氏

評価ポイント:「Google Workspace×AI研究家」として、生成AIを活用したプロンプト術「まじん式プロンプト」を考案。プレゼン資料の作成などを大幅に効率化する実践的な手法を、noteなどで無償公開・継続的にアップデートしながら発信し、広く支持を集めてこられました。専門知識やGoogleアカウント以外の特別な環境を必要としない「誰もが使える」形にこだわり、生成AIが多くのユーザーにとってまだチャットでの相談や要約の道具であった時期から、その一歩先を行く活用法を一般へ広める普及活動を続けてこられた点を高く評価しました。

エバンジェリスト賞

DXの知見を社内外に発信し、人材育成や知識共有に貢献した人物を表彰する。

平山秀樹氏(平山建設 代表取締役)

  • 人物写真

    (左から)森戸裕一氏、平山秀樹氏

評価ポイント:明治34年創業の地方建設会社の4代目として、ツール導入にとどまらないリテラシー教育に取り組み、自らの失敗と学び直しの過程を開示しながら、地域の中小企業でも実現できるDXの「型」を発信。稟議を1週間から1時間へ、現場記録を990分から20分へと短縮するなどの成果に加え、千葉県の建設会社として初めて経済産業省「DX認定事業者」に選定された。地域へDX実践の連鎖を生み出した発信・育成の活動を高く評価しました。

* * *

日本DX大賞2026の個人表彰では、組織変革や人材育成、情報発信など、さまざまなかたちでDX推進に貢献した個人の功績が讃えられた。企業・団体表彰および22日に行われた基調講演の様子については、こちらの記事でレポートしている。本稿と併せてぜひご一読いただきたい。