この半導体ニュースのまとめ

・旭化成が先端半導体パッケージ向け感光性ポリイミドフィルムを開発
・パネルレベルパッケージング(PLP)に対応し大型化・高密度化に対応
・フィルムプロセスにより歩留まりと生産性の向上を狙う

半導体材料事業などを手掛ける旭化成は5月21日、AI半導体向け先端パッケージング材料として「感光性ポリイミドフィルム」を開発したと発表した。すでに顧客での評価が進行しており、早期の製品化を目指す。

  • 感光性ポリイミドフィルム

    旭化成が新たに開発した感光性ポリイミドフィルム (出所:旭化成)

AI需要の拡大でパッケージの大型化・高密度化が加速

AIデータセンター需要の拡大を背景に、先端半導体パッケージ分野では複数チップの集積化やインターポーザーの大型化が進んでいる。これに伴い、パッケージの実装面積拡大や、配線の微細化・多層化、さらには3次元構造化といった要求が高まっている。

加えて、パッケージサイズの大型化を受ける形で従来のウェハレベルでは取れ数が減少することから、より大判のパネルレベルパッケージング(PLP)への移行検討も進められており、これに対応した材料・プロセス技術の重要性が増している。

既存材料技術を融合しフィルム化を実現

今回の開発品は、同社の感光性ポリイミド「パイメル」の技術に加え、銅ピラー形成用途などで実績を持つ感光性ドライフィルム「サンフォート」における材料・生産技術を融合することで実現したもの。

  • 半導体パッケージングの製造プロセスと旭化成の対応製品

    半導体パッケージングの製造プロセスと旭化成の対応製品 (出所:旭化成)

これにより、半導体パッケージ向け再配線層(RDL)のほか、パッケージ基板の絶縁層での適用が期待できるとする。特に、従来の液状樹脂の場合、基板サイズが大型化するほど面上に均一な層の形成が難しくなるため、そうした課題をフィルム化することで、膜厚の均一性向上を図りやすくなり、それに伴うさらなる絶縁層の多層化への対応ならびに歩留まりの改善が期待できるようになるとする。

また、PLP向けに求められる大面積処理に対してもフィルムというハンドリングのしやすさを活かすことで、生鮮性の向上と工程の安定化につながることも期待できるとしている。

回路形成向けフィルムとの組み合わせで完全フィルムプロセスの実現へ

旭化成では、同開発品を同社の1.0μm幅の配線形成が可能な感光性ドライフィルム「サンフォート TAシリーズ」と組み合わせることで、微細な回路形成と絶縁樹脂層の両方をフィルムプロセスで形成するソリューションも提案していくという。さらに、高アスペクト比銅ピラー形成用の感光性ドライフィルム「サンフォート CXシリーズ」との組み合わせによる3次元実装への対応も進めて行くとしている。

  • 再配線層の断面図

    感光性ポリイミドフィルムとサンフォート TAシリーズで形成された再配線層の断面図 (出所:旭化成)

パッケージ材料が競争力の焦点に

先端パッケージ分野では、基板サイズの大型化に併せる形で従来の液体プロセス中心の製造と並行する形でフィルムプロセスの活用が進むことが期待されている。

今回の開発品は、そうした市場の流れの中で材料という側面からプロセスの選択の幅を広げるものと言える。同社でも、材料・プロセス技術の高度化を進めているとしており、多様化する顧客ニーズに対応する材料開発を推進していくことによる成長を狙う。

半導体のプロセス微細化の物理的な限界が近づく中、高性能化はパッケージング技術が左右する時代になりつつある。特に、大面積・高密度・高多層化に対応できる材料の重要性は今後、さらに増していくことが予想され、今回、同社が開発したようなフィルム型材料は、そうした次世代の先端パッケージングの生産性と品質を左右する要素となる可能性がある。

ほかの半導体材料メーカーも先端パッケージングに向けてフィルム製品の供給を推進する動きを見せており、今後のPLPの基板サイズの大型化に伴う技術開発競争が激しくなっていくことが予想される。