この半導体ニュースのまとめ
・トクヤマが台湾で高純度IPA第2プラント建設を決定
・年産3万トンを追加し、半導体製造向け供給体制を強化
・微細化や積層化の進展に伴う洗浄用途の需要拡大に対応
トクヤマは5月20日、台湾で展開する電子工業用高純度イソプロピルアルコール(IPA)事業において、第2プラントの建設を決定したと発表した。連結子会社である台塑德山精密化學(FTAC)を通じて実施するもので、半導体用途向けの供給能力増強を狙う。
IPAに対する品質と安定供給への要望が拡大
半導体製造では、製造工程中の微粒子や残渣がデバイス性能や歩留まりに直結することから、それらを除去する洗浄プロセスが活用されてきた。そうした洗浄工程の1部では高純度IPAが用いられてきたが、プロセスの微細化に伴い、従来以上に微細な欠陥の存在が製品の不良につながることから、高品質な洗浄用材料の維持管理と安定供給が求められるようになってきているという。
台湾の拠点に生産能力3万トンを追加
今回建設される第2プラントは、台湾・高雄に2020年に設立したFTACにおいて運用されるもので、年産3万トンの生産能力を有する計画。営業運転開始は2028年9月を予定している。
FTACはトクヤマと台灣塑膠工業(台湾プラスチック)が50%ずつ出資する合弁会社で、2020年の設立以降、台湾におけるトクヤマの半導体材料供給拠点として機能してきた。
製造技術×分析力で品質対応を強化
トクヤマは、自社の高純度IPA事業に対して、「独自の製造技術」、「高度な分析能力」、「厳格な品質管理ノウハウ」の3つの強みを生かすことで、今回の増産に伴う安定供給体制の強化を図るとしており、単なる量を増やすのみならず、品質要件の高度化に対応した安定供給の確立を狙う姿勢を見せる。
半導体材料は「量と品質の両立」が鍵
半導体市場では、ロジックやメモリといった半導体デバイスそのものの性能向上に注目が集まる一方で、洗浄をはじめとする半導体製造プロセスで活用される材料も高性能化を支える前提条件となるため重要要素となっている。
特にAI分野での高性能化ニーズへの対応に向けた先端プロセスの採用が進む中にあっては、プロセス材料に対しても、高純度化、安定供給、量産対応の3つを同時に実現することが求められる傾向にあり、今回の同社の台湾での生産能力増強は、こうした半導体材料に対する市場からの要請に対応するものであり、台湾という主要な先端半導体製造地域に対する供給能力の強化を通じて、グローバル半導体サプライチェーンにおける存在感の向上を図る動きといえる。