大手半導体製造装置メーカーのディスコが主催する優勝者には最大100万円の賞金が授与される一般参加型プログラミングコンテスト「DECC(DISCO EQUIPMENT CODING CONTEST) 2026」のエントリー募集が開始された。エントリーの締め切りは2026年5月7日12時となっている。

DECCは、半導体製造装置メーカーの同社らしい、装置を用いる形で与えられたお題を実現するプログラムを実装して、その動作の正確さで順位を競うプログラムコンテスト。実物が動く競技となるため、いわゆるロボットコンテスト(ロボコン)に近いコンテストといえるが、実際に用いられる装置は、同社のエンジニアたちがこの大会のために特別に開発したものである点が非常にユニークだ。

高校生から社会人まで幅広く参加が可能

大会の概要としては、参加資格にとくに制限はないが、プログラミングコンテストであることから、プログラミングができることが必須となる。また、使用可能なプログラミング言語としては、「C」「C++」「Java」「Python」「VBA」となっている。

エントリーは専用Webサイト経由で予選のログインに使用するユーザーネーム(本戦にも引き継がれる)やメールアドレスなど必要情報を記入する形で行う方式。5月7日のエントリー締め切り後、5月17日14:00~15:30にかけてオンライン形式での予選が実施される。ちなみに、予選会の終了後には任意参加ではあるが、ディスコの特別キャリアイベントも開催される予定だという。

本戦は6月14日にディスコの本社がある東京都大田区にて開催されるが、本戦出場者は予選上位100名だが、2027年3月および2028年3月の卒業見込みの学生(大学院、大学、短大、高専、専門学校、高校)から上位50名、この上位50名で未選出の卒業見込み学生および、それ以外(主に社会人)の参加者から上位50名という枠組みとなっている。

ちなみに、2027/2028年3月卒見込みの学生限定となるが本戦出場が決まった場合、会場までの往復交通費はディスコが負担するほか、遠方参加者にはビジネスホテルでの宿泊手配も行うという特典も提供される。

優勝賞金は最大で100万円、副賞も用意

同コンテストでは成績優秀者には賞金が授与される点も特長だ。しかも「シミュレータ問題」と「装置実装問題」の2つ別々に賞金が用意されており、シミュレータ問題で1位になると20万円、2位には10万円、3位には5万円が、装置実装問題で1位になると30万円、2位には20万円、3位には10万円が贈られ、さらに両方の問題で1位を獲得し、「完全優勝」を果たした場合はボーナス賞金としてさらに50万円が贈られ、最大で100万円の賞金を手にすることができる。

  • ウェハ表彰状

    成績優秀者には表彰状が贈られるが、紙ではなく半導体製造装置メーカーらしくウェハ表面を加工して作ったものが贈られる

また、最終成績に応じて同社に入社しようと思った際に使える就職面接パス券も贈呈される。総合順位で72位~25位までであれば1次面接を確約(書類・簡易面接なし)、24位~9位は2次面接を確約、そして8位~1位の上位成績優秀者は役員面接を確約するという。ちなみに、この面接パス券、期限は無期限とのことで、社会人として過ごして数年後にふとディスコに転職をしようと思い立った時でも有効だという。

毎年変わる競技内容、2025年は「バウンド玉入れ」、2026年はどうなる?

コンテストで用いられる課題は毎年内容が異なっている。2025年のDECOではボールが跳ねる板(バウンド板)にアームが把持したボールを当てて、その先にある21個の穴に入れることで得点を競う、バウンド玉入れとも言えるものであった。

  • バウンド玉入れの装置
  • バウンド玉入れの装置
  • DECO 2025の本戦で用いられたバウンド玉入れの装置。21個の穴にバウンド板にボールを当てて跳ね返らせて入れるという競技となっていた

ただ、狙った穴にボールを入れられればより高い得点を得ることができるほか、先に埋まってしまった穴には、ほかのボールは入れられないなど、戦略性とそれぞれの穴とボールの距離などを見極めた微妙な調整をする眼力が求められたものとなっていた。

  • 狙った穴(コミットターゲット)は高得点

    狙った穴(コミットターゲット)にボールを入れられれば高得点が得られるというルール

なお、本戦にはコンパイル環境を有する無線LAN搭載の自前のノートパソコンを持ち込む必要があるが、自前のキーボードや補助用のタブレットなどの持ち込みも可能だという。

問題や装置の開発は同社のプロフェッショナル人材が行っており、ものづくりメーカーならではの物理条件を考慮する必要があるものが意図的に出される傾向が強い。そうした意味でも今年の大会でもそうした現実世界の物理法則を踏まえた課題が出されることが予想されるが、実際にどのようなものが出題されるのかは本戦当日、その目で確かめるしかない。

PC上だけで完結する競技プログラミングとは異なり、実際に動くものを相手にするプログラミングコンテスト。IoTやフィジカルAIといった物理での動作が求められる技術も次々と登場してきている現代において、自分の実力で、どこまでそうしたモノを動かすことができるのかを試してみたい人は参加してみてはいかがだろうか。