高性能半導体向け2.5D/3D実装の歩留まり向上と品質安定に貢献する洗浄技術
リックスは10月15日、次世代の半導体製造に対応した新型フラックス洗浄装置を開発し、特許を出願したことを発表した。同装置は、2.5次元(2.5D)および3次元(3D)実装技術における狭い隙間のフラックス残渣を確実に除去するための独自の減圧機構を搭載したものだという。
近年、半導体の高性能化に伴い、2.5D/3D実装技術の採用が進んでいるが、複数のチップをインタポーザーを介して接続するため、チップ間や基板との間に極めて狭い空間が生じる。このような構造では、フラックス残渣の洗浄が不十分だと信頼性や歩留まりに影響を及ぼすため、高精度な洗浄技術が求められていた。
狭い隙間の洗浄を可能にした新技術
同社が新たに開発したフラックス洗浄装置は、そうしたAI半導体やチップレット採用半導体など、複雑化するパッケージング技術に対応することを目的としたもので、従来の洗浄方式では対応が難しかった数十μmの隙間にもフラックス洗浄液を充填できる減圧機構を採用したことで、有機インタポーザーなどの大判化実装品における微細な隙間のフラックス残渣も効果的に除去することができるようになったという。
同社では20年以上にわたってフラックス洗浄装置の開発・製造に携わり、そのノウハウを蓄積してきたことが、今回の新技術開発につながったと説明。すでに複数の大手半導体メーカーに、このフラックス洗浄装置を受注納入済みとしているほか、今後は半導体後工程の洗浄分野において、九州における半導体産業の中核を担うことを目指し、技術の発展を図っていくとしている。

