包括的な電源設計向けツールが登場

Analog Devices(ADI)は10月14日(米国時間)、電源設計における高度なモデリング、部品の提案、シミュレーションを伴う効率分析などを包括的に提供する製品ファミリ「ADI Power Studio」を発表した。

第一弾として同社は次世代のWebベースのシステムレベルのパワー・ツリー設計ツール「Power Studio Planner」およびICレベルの電源設計のためのWebベース・ツール「Power Studio Designer」の初期バージョンの提供を開始。これらのツールは、同社のLTspice、SIMPLIS、LTpowerCAD、LTpowerPlanner、EE-Sim、LTpowerPlay、LTpowerAnalyzerといった既存のパワー・マネジメント・ツールを含むPower Studioポートフォリオの全製品と組み合わせることが可能で、これにより電源システムの設計プロセス全体の効率化を図ることができるようになると同社では説明している。

第一弾として2つのツールを提供

具体的には、Power Studio Plannerを用いた場合、エンジニアはシステム・アーキテクチャをインタラクティブに見ることができるようになり、電力分配のモデル化、電力損失の計算、システム効率の分析を容易かつ明確に行えるようになるとするほか、インテリジェントなパラメトリック検索とトレードオフ比較により、設計初期段階から優れたアーキテクチャの決定をより素早く行うことができるようになるという。

  • Power Studio Planner

    Power Studio Plannerの画面 (出所:ADI)

一方のPower Studio Designerは、最適化された部品の提案、性能推定、およびカスタマイズされた効率分析と、ガイド付きのワークフローを提供するもので、これによりエンジニアは主要なパラメータを設定し、シミュレーション、コンフィギュレーション、評価を自信を持って進めることができるようになるとするほか、エンジニアはハードウェアに移る前に、LTspiceとSIMPLIS回路図の両方をサポートした、現実世界の性能をシミュレートする正確なモデルを構築することができるようになるともしている。

  • Power Studio Designer

    Power Studio Designerの画面 (出所:ADI)

なお、ADIでは、今後の数か月で製品のアップデートを行うほか、新製品の発表も予定しているという。