ロームは9月22日、2012サイズ(2.0mm×1.25mm)のシャント抵抗器(10mΩ~100mΩ)として業界トップクラスの定格電力を有する新製品「UCR10Cシリーズ」を開発したことを発表した。
電力センシングの高精度化に貢献 - 完全鉛フリーも実現
電力センシングの重要性が高まる昨今において、シャント抵抗器には車載市場や産業機器市場から“高電力化”への対応が求められている。また車載市場では高接合信頼性、産業機器市場では高精度化などといった市場特有の要求も年々厳しさを増すばかり。そうした中でロームはこのようなニーズに応えることを目指し、高い対応力を有するシャント抵抗器を開発したとする。
この新製品は、アルミナ基板上に銅系抵抗体を焼結により形成するとともに、放熱構造の最適化も施すことで、厚膜タイプや金属板タイプを含む同等サイズ品と比較しても2倍となる1.0W、1.25Wの定格電力を実現。これにより長辺電極構造品やワンサイズ大きな製品からの置き換え需要に対応可能で、小型化や員数削減を可能にするという。
さらにロームによれば、金属抵抗体の採用によってTCR(抵抗温度係数)の低下(0 to +60ppm/℃)も実現したとのこと。温度変化に対する誤差を抑え、高精度な電流センシングの実現に貢献するとしている。
また温度サイクル保障においても、金属板タイプと同程度の耐久性(-55℃/+155℃ 1000サイクル)を有するといい、車載用途など温度変化が激しいアプリケーションにおいても高い接合信頼性を確保し、長期間にわたる安定使用を実現。加えて完全鉛フリーにも対応しており、RoHSの適用にあたらない部位にも鉛材料を含まないことから、環境負荷低減にも寄与するとした。
ロームによると、新製品は9月よりサンプル受付を開始しているといい、3216サイズ(2W)の金属焼結シャント抵抗器「UCR18Cシリーズ」への開発にも着手しているとのこと。今後も高電力・高精度・高信頼性を兼ね備える製品ラインナップの拡充に取り組み、電流センシングにおける最適なソリューションを提供するとしている。
