台湾の半導体企業であるTSMC(台湾積体電路製造)は3月3日、米国に1000億ドルを新たに投資する計画を発表した。CEOのC. C. Wei(シーシー・ウェイ)氏が、米大統領のDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏との対談で明らかにした。
総額1650億ドルの投資
TSMCは2024年4月、米国に650億ドルの投資を行いアリゾナ州フェニックスに高度な半導体製造オペレーションを建築する計画を発表している。
今回の1000億ドルの投資はこれに追加するものとなり、今後数年間で米国内に5つの追加施設を建設することが含まれている。施設のうち3つはチップ製造、2つは高度なパッケージング施設となる予定だ。これらの投資で総額1650億ドルを投じる予定であり、米国内での生産を促進する。
TSMCは生産拠点の分散を進めており、2020年5月にフェニックスでの半導体工場の建設計画を発表し、同年11月に第1工場の建設に着工。さらに2022年12月に第2工場の建設を開始し、2024年後半から量産を開始している。
Reutersの報道によると、トランプ大統領は「われわれは必要な半導体やチップを国内で生産できなければならない。これは国家安全保障の問題だ」と述べたという。
この投資は、バイデン前政権時に2022年に可決された「CHIPSおよびサイエンス法」にもとづく、25%の製造投資税額控除の対象となる見込みだ。