TSMCが台湾南部の台南市沙崙に1nm(A10)プロセスの製造に対応する半導体工場を建設する模様だと複数の台湾メディア報じている。
それらによるとTSMCは、最先端プロセスによる生産を拡大するために、300mmウェハに対応する6つの製造棟を収容する大規模工場(ギガファブ)を建設する予定であるという。台湾国家科学委員会は、台南サイエンスパークの北に位置する嘉義サイエンスパーク(いわゆる工業団地)と南の高雄と屏東の各サイエンスパークとをつなげた「大南方新矽谷推動方案(Greater South New Silicon Valley Promotion Plan)」の実現を目指しており、TSMCの新工場誘致はその一環だという。
A10対応工場が台南市に建設されるというこれらの報道に対してTSMCは、「工場の建設場所選定には多くの考慮事項がある」と述べたほか、「台湾を最先端技術の主要拠点としており、いかなる可能性も排除しない」と回答したという。台湾の半導体業界関係者によると、TSMCはこの新工場を社内では「Fab 25」と名付けたとのことで、すでに同社は1.4nm(A14)プロセスならびにA10対応工場の建設を台湾サイエンスパーク管理局に申請したとも言われており、それによるとFab 25のPhase1(P1)からP3までがA14向け、P4~P6がA10向けとなる模様である。