AMDは2月4日(米国時間)、2024年第4四半期および通期業績を発表した。
それによると、第4四半期売上高は、前四半期比12%増、前年同期比24%増の76億5800万ドルで過去最高を更新したほか、売上総利益率は51%、営業利益は前年同期比155%増の8億7100万ドル、純利益は同28%減の4億8200万ドルだった。
また、2024年通期業績を見ると、売上高は前年比14%増の278億8500万ドルで、こちらも過去最高を更新した。売上総利益率は49%、営業利益は同374%増の19億ドル、純利益は同92%増の16億4100万ドルとしている。
しかし、こうした好業績にもかかわらず、競合NVIDIAに追いつくことを期待していた市場関係者からはAMDのデータセンタ向け事業部門の売り上げが市場予測に届かなかったことからの失望から、決算発表後に同社の株価は下落した。一部の投資家からはAMDのAI分野への取り組みがやや勢いを失っているとの懸念もでている。
同四半期の業績を部門別に見ると、注目されるデータセンター部門の売上高は前年同期比69%増の39億ドルと過去最高を記録した。主にInstinct GPUの出荷増とEPYC CPUの売上増によるところが大きいが、 市場予測は41億ドル程度をされており、それには届かなかった。また、通期売上高も前年比94%増の126億ドルと過去最高を更新した。
同四半期のクライアント部門の売上高は前年同期比58%増の23億ドルとなった。また、通期売上高は前年比52%増の71億ドルとなり、こちらも過去最高を更新した。
同四半期のゲーム部門の売上高は、セミカスタム品の売り上げが減少したことで、前年同期比59%減の5億6300万ドルとなった。また、通期売上高も同様の理由から前年比58%減の26億ドルにとどまった。
同四半期の組み込み部門の売上高は前年同期比13%減の9億2300万ドルで、通期売上高も顧客の在庫レベルの正常化の動きなどもあり、前年比33%減の36億ドルにとどまった。
AIインフラの提供に向けたパートナーシップや投資を拡大
AMDは、高性能なAIインフラストラクチャの大規模な提供に向けて富士通やIBMなどといったIT企業とパートナーシップを拡大を図っているほか、LiquidAI、Vultr、Absciなどに対する投資を含め、AIエコシステムとソリューションを推進するための戦略的投資を拡大していると説明する。
同社は、こうしたエコシステムに向けて堅牢なオープンAIスタックを提供するために、AIソフトウェアロードマップを加速していると強調しており、具体的としてAMD Instinctでの推論を高速化する多数のパフォーマンス強化と、追加のコンパイラツールおよびライブラリを備えたROCm 6.3のリリースを挙げている。また、推論アプリとトレーニングアプリの両方の導入を容易にし、すぐに使用できるサポートを向上させるROCmソフトウェアスタックの今後の計画も発表したほか、AI PCポートフォリオの拡大も図るなど、AI関連ビジネスに注力する姿勢を見せている。
なお、AMDは2025年第1四半期の売上高について約71億ドル±3億ドルと予想している。これは中央値で見ると前年同期比約30%増、前四半期比約7%減といった値となっている。