LegalOn Technologiesは4月21日、事業戦略発表会をオンラインで実施した。説明会の冒頭、CEOの角田望氏は「現代のソフトウェアは、SaaSを含む既存ソフトウェア、Claudeに代表される汎用AIソリューション、そして今後出てくる各専門領域特化のプロフェッショナルAIに分類できる。当社はこの中で、当社自身をプロフェッショナルAIのプレイヤーと位置付け、より優れたソリューションをお客様に届けていく」と方針を語った。
なぜAI導入は期待以下に終わるのか?半数以上が効果を実感できず
野村総合研究所の調査によると、日本企業の約57%がすでにAIを導入している。その一方で、PwC Japanの調査では約56%の企業が「期待以下の効果」と回答しており、「期待を上回る効果があった」と答えた企業はわずか15%だった。
角田氏はこの状況を分析し「AIは人が使う前提がある以上、使わないという選択肢も残る。その結果、生産性の向上は部分的なものにとどまる。また、ビジネスのオペレーションはつながっているため、一部の生産性が向上しても、他の生産性が低い部分に引っ張られてしまう」と述べていた。
AI駆動経営とは何か?従来のAI活用と何が違うのか
こうした課題に対し角田氏が提案するのが、「AI駆動経営」だ。これは、人を前提としたビジネスのオペレーションから、AI利用を前提としたオペレーションへと変革するモデルを指す。
人がAIを使う前提のオペレーションでは「AIを使わない」という選択肢が残ってしまうため、オペレーション全体をAI利用を前提としたプロセスへと刷新する、というモデルだ。これにより、生産性が低い部分に引っ張られることなく、オペレーション全体をAIで効率化できる。
「これまでは、貴重な人材を既存のオペレーションを回すために投入していた。しかしAI駆動経営を実現することで、人を作業的な労働から解放し、AIだけでは回せないオペレーションや、新たな価値を創出するオペレーションにシフトできるようになる」(角田氏)
LegalOnの戦略は何か?「Professional AI」で業務ごとに最適化
LegalOn Technologiesおよび同グループのOn TechnologiesはAI駆動経営を実現するため、新たなパッケージサービスを提供開始する。
On Technologiesは、LegalOn Technologiesが法務領域のサービス開発で培った専門知識とAI技術を応用し、法務領域以外の多様な領域の課題をカバーする専門性の高いAIプロダクトを開発する。
新パッケージサービスのコンセプトは「AI駆動経営 powered by Professional AI」というもの。人を前提とした業務オペレーションを、AIを前提としたものに置き換えるだけでなく、経営に必要な専門の業務オペレーションをAIで再設計することにより、高水準な経営を実現するという。
「既存の経営のオペレーションがあり、それをAIネイティブにするのであれば汎用的なAIソリューションで十分であり、当社はその領域をやるわけではない。当社は特定の実務領域で、汎用AIとの比較において、より深い専門性を備えた実務的な領域特化のAIを提供していく」(角田氏)
同社は、経営管理やエグゼクティブ層に加え、法務、HR、マーケティング、営業、経理財務、さらにはAIガバナンスとITセキュリティの各領域において、AIエージェントを搭載したProfessional AIを展開するという。また、必要に応じて教育・育成やコンサルティングなども手掛けるとのことだ。
どの業務がAI化される?法務・HR・営業など8領域の全体像
具体的には、従来から得意とする法務領域の「LegalOn」に加え、ガバナンス領域の「GovernOn」、営業領域の「DealOn」、エグゼクティブ層向けの「CXOn」、新たにHR領域の「WorkOn」の提供を開始する。
マーケティング領域、ファイナンス領域、ITセキュリティ領域のProfessional AIは現在開発中とのことだ。
これら8領域のソリューションは、まずは同社内で活用を進めるという。最初に実験台として社内で運用し、その知見をプロダクト開発に応用している。
各領域のソリューション開発には、同社が法務領域でグローバル市場に挑戦してきた経験が生かされる。例えば、LegalOnで開発したアーキテクチャやスキームを汎用化し、他の領域にも応用する。
角田氏は「LegalOn TechnologiesおよびOn Technologiesのグループは、AI駆動経営 powered by Professional AIのコンセプトの下、AIを成長の源泉に変えていく皆様の変革をしっかり支援したい。あらゆるビジネスにプロフェッショナルなクオリティのAIを実装するためにサービスを磨き続ける」と述べ、説明会を締めくくった。





