車載半導体市場シェアトップは唯一2桁シェアを獲得したInfineon

カナダの半導体市場調査会社であるTechInsightsによると、2025年の車載半導体市場は前年比6.5%増の約744億ドルとなったという。

売上高トップはInfineon Technologiesで、売上高は約95億ドルで市場シェアは12.8%としている。2位はNXP Semiconductorsで市場シェアは9.6%、3位はTexas Instruments(TI)の7.8%としている。

注目すべき変化は、5位にMicron Technologyが入ってきた一方で、STMicroelectronicsが4位に、Boschが10位にそれぞれ後退したことであろう。この動きは、2025年はパワー半導体よりもプロセッサ、メモリ、およびより広範なミクスドシグナルコンテンツに重点を置いたサプライヤが事業を成長させたためだとTechInsightsでは分析している。ちなみにトップ19社中、日本勢は3社がランクインしている。日本勢トップは6位のルネサス エレクトロニクスで市場シェア5.7%、ロームが14位で市場シェア2.1%、東芝が16位で市場シェア1.5%としているが、これら3社の売上高を合計しても1位のInfineonのみならず、2位のNXPに届かない状況である。

  • 2025年の車載半導体サプライヤのシェア

    2025年の車載半導体サプライヤのシェア (出所:TechInsights)

製品セグメントではプロセッサが最大規模

車載半導体をセグメント別に見ると、プロセッサが市場の30.4%を占める最大セグメントであり、次いでパワーとアナログがそれぞれ約18%と続く。また、メモリも10.8%まで規模を拡大させている。

TechInsightsでは、この構成比が重要だと指摘している。InfineonとNXPは、多様な製品ポートフォリオと自動車市場における強固な地位を背景に市場全体から恩恵を受けているが、2025年の車載半導体市場の結果は、これまでのような電動化関連のみがけん引するような状況ではなく、コンピューティング、メモリ、コネクティビティ、そして集中型およびゾーン型車両アーキテクチャへの移行が成長を左右するようになっているとする。

車載半導体市場としての重要性が増す中国

また、地域的な需要としてはアジアへのシフトが継続しており、2025年の市場の約3割を中国市場が占めるに至っている。欧州が24%、北米が約16%であることを考えると、その比率の高さが浮き彫りとなっている。この数値は、TechInsightsが以前から指摘していた構造的な傾向を裏付けるものであり、もはや中国を単なる量販市場としてサプライヤはみなすことができない状況へと向かわせており、事業規模の拡大、(自動車メーカーの設計初期段階でデバイスの採用を勝ち取る)デザインウィン、そして長期的な競争力確保のための最重要地域となりつつあるとしている。