米Anthropicの先進AIモデル「Mythos」クラスへのアクセス制限を巡り、米サイバーセキュリティ業界のリーダー40人以上が6月14日付けて、米Donald Trump(ドナルド・トランプ)政権に制限の撤回を求める書簡を送った。書簡を主導したのは元Facebook最高セキュリティ責任者で現Corridor最高製品責任者のAlex Stamos氏。Adobe、Zoom、SophosなどのCISOや幹部、研究者が署名に加わっている。
Fableだけが特異な能力向上をもたらすとの規制根拠は成立しないと反論
制限の発端は、Amazonの研究者がAnthropicの「Fable 5」について、脆弱性の実証コードを生成できる点を安全保障上のリスクと指摘したこと。これを受け米政府はAnthropicの最強モデル群へのアクセス制限を打ち出し、従来はProject Glasswingの限定提供だった「Mythos 5」「Mythos Preview」にも制限が及んだ。
書簡では、この能力はGPT-5.5、Opus、Sonnet、中国のKimi 2.7でも再現可能で、Fableだけが特異な能力向上をもたらすとの規制根拠は成立しないと反論。
中国のオープンウェイトモデルは米国の最良モデルに数カ月差で迫り、中国政府はさらに非公開の能力を持つ可能性もあるとして、敵対勢力が急速に能力を高める中で防御側から最良モデルを取り上げるのは危険だと主張した。今回の措置は防御側の能力を奪い、市場の不確実性を生み、米国のAI優位性を損なったと結論づけている。
署名者にはSophos CEOのJoe Levy氏、同CTOのJohn Peterson氏、同CISOのRoss McKerchar氏、Adobeのソフトウェアセキュリティ担当VP Bryan Payne氏、ZoomのAndy Grant氏(セキュリティ保証責任者)とSandra McLeod氏(CISO)、暗号研究者のBruce Schneier氏(Harvard大学/トロント大学)らも名を連ねている。6月14日付のAxiosが報じている。