米Applied Materials(AMAT)は11月14日(米国時間)、2024年度第4四半期(8~10月)および通年(2023年11月〜2024年10月)の決算を発表した。

それによると、同第4四半期の売上高は前年同期比5%増の70億4500万ドル、営業利益は20億5000万ドルでいずれも過去最高を更新。通年売上高は、前年度比2%増で271億7600万ドル、営業利益は78億7000万ドルで、こちらもともに過去最高を更新した。

  • AMATの2024年度第4四半期および通年業績

    AMATの2024年度第4四半期および通年業績 (出所:AMAT)

第4四半期の売上高を事業部別に見ると、主力の半導体製造装置は51億8000万ドルで、分野別ではファウンドリ・ロジックその他向けが73%、DRAM向けが23%、フラッシュメモリ向け4%で、営業利益率は35.2%としている。このほか、グローバル・サービス事業の売り上げは、16億4000万ドル、FPD製造装置事業の売り上げは2億1000億ドルとしている。

  • AMATの主力である半導体製造装置事業の2024年度第4四半期と2024年度通年業績

    AMATの主力である半導体製造装置事業の2024年度第4四半期と2024年度通年業績 (出所:AMAT)

国・地域別に第4四半期の売上高を見ると、中国30%、台湾18%、韓国17%、米国16%、日本8%、欧州6%、東南アジア5%となっており、中国向けが前四半期比で14ポイント減としている。この動きは、中国市場における半導体製造装置の需要一巡と米国政府による対中半導体規制の影響とみられる。

  • AMATの2024年度第4四半期および通年の地域・国別売上高および総売上高に占める割合

    AMATの2024年度第4四半期および通年の地域・国別売上高および総売上高に占める割合 (出所:AMAT)

なお、同社は2025年度第1四半期(2024年11月〜2025年1月)の売上高見通しをおよそ71億5000万ドル±4億ドルとしており、今後も売り上げが増加する可能性を示唆している。

半導体製造装置への中国製部材を排除か?

また、AMATは米国政府の規制強化の動きを受けて、機密性の高い最先端技術における中国の役割を制限するという米国政府の指示を受けて、すでに中国の協力部材企業をサプライチェーンから排除する取り組みを進めていると米国メディアが報じている

同社は部品サプライヤ各社に対して、中国製部品を排除し、他国から代替品を調達しなければベンダーとしての地位を失うことになると通告しているほか、サプライヤは中国人投資家や株主を雇用してはならないとも通告しているという。

一方で部品サプライヤ各社は、同等価格で中国製部材の代替品を見つけるのは困難なため、この動きによってコストが上昇する可能性があると業界関係者は指摘している。AMATは、安定した部材供給を確保するために代替部品の供給元を探していることを認めているという。