この半導体ニュースのまとめ

・BYDが都市部NOA向け事故補償制度を導入、スマートドライビングの信頼性強化を推進
・自社開発の4nm車載AIチップ「璇玑A3」を発表、量産を開始
・LiDAR全車展開とAI開発投資により自動運転性能と安全性向上を推進

BYDは5月28日に開催したインテリジェンス戦略発表会において、都市部NOA(Navigate on Autopilot)機能に対する補償制度の導入と、自社開発の4nmプロセス採用車載半導体となるスマートドライビング向けSoC「璇玑A3」を発表した。都市部NOA向けの補償制度導入は世界初としている。

  • スマートドライビング向けSoC「璇玑A3」

    4nmプロセス採用スマートドライビング向けSoC「璇玑A3」発表の様子 (出所:BYD)

自動運転の「責任」を補償でカバー

今回導入された補償制度は、中国市場において「天神之眼 運転支援システム 5.0」を搭載またはアップグレードしたユーザーを対象に、法令およびシステム利用条件を遵守した状態で、都市部NOA機能を利用している際に事故が発生し、ユーザーに法的責任が認められた場合、BYDが経済的損失を補償するというもの。

こうした取り組みを実現できる背景として同社は、315万台以上のスマートドライビング対応車両の運行実績と、1日あたり2億kmを超える走行データを保有していること、加えて5000人規模の研究開発チームによる継続的な技術開発があることを挙げている。

4nm車載AIチップで性能を引き上げ

同制度の導入と同時に発表された「璇玑A3」は、自社開発の4nmプロセス採用の車載スマートドライビングSoC(AIチップ)で、L3およびL4レベルの自動運転対応を見据えて開発されたものとなる。

3チップ構成では2100TOPS超の演算性能を実現しつつ、同クラスの製品と比較してTOPSあたりの消費電力を約20%低減することを可能とし、高性能と省電力の両立を図ったとする。すでに量産段階に入っており、BYD独自のアルゴリズムとの組み合わせにより、自動運転機能の精度と信頼性向上に寄与するとしている。

システム全体の高度化を推進

BYDは天神之眼 運転支援システムについても進化を進めており、「璇玑アーキテクチャ2.0」「衛星センサーアーキテクチャ」「フィジカルAI大規模モデルの進化」「大規模な実走行シナリオを活用したデータフライホイール」といった4つのアップデートを発表したほか、車内インフォテイメントシステム「DiLink AIスマートコックピット」にAIエージェント機能を搭載し、自発的な提案やタスク実行による高度な車内体験の提供を可能としたとする。

加えて、全ラインアップにおいて天神之眼 運転支援システムのLiDAR搭載モデルを選択可能とする方針も示すなど、スマートドライビング時代における「安全」と「信頼」を重要な価値として位置づける姿勢を見せており、今後もより安全かつ安心なモビリティ社会の実現を目指すとしている。