米国政府は、中小企業技術革新研究(SBIR)プログラムに基づき、米国9州の中小企業17社に約500万ドルを授与したことを発表した。

SBIRフェーズIの助成金は、革新的なアイデアや技術の特徴や実現可能性の調査を踏まえ、商業用マイクロエレクトロニクス市場に導入できる実用的な製品やサービスの開発・研究プロジェクトに向けて提供されるものとなる。

SBIRフェーズI助成金受給17社

Direct Electron (カリフォルニア州)

高解像度の電子後方散乱回折と透過菊池回折のための高速カメラ開発

HighRI Optics (カリフォルニア州)

EUV露光装置の機器伝達関数の較正向け技術開発

Photon Spot (カリフォルニア州)

時間分解イメージングアプリケーションをサポートするための小型で低振動の低温システム開発

Photothermal Spectroscopy (カリフォルニア州)

サブミクロンの空間分解能で高速熱特性分析と同時化学特性評価を行う機器の開発

PrimeNano (カリフォルニア州)

材料の純度、電気特性、3次元デバイス、次世代製造に応用できるインライン計測用の測定技術開発

Recon RF (カリフォルニア州)

次世代の大信号および高出力トランジスタモデリング技術開発、RFマイクロ波回路設計シミュレータ用の高精度モデル作成

Sigray (カリフォルニア州)

従来のX線源に比べて桁違いの性能向上を実現する新しい線形蓄積X線源開発

Vapor Cell Technologies (コロラド州)

半導体製造装置用の高度な寸法計測ツール開発

Tech-X (コロラド州)

製造上のばらつきや欠陥を考慮した光集積回路のシミュレーションツール開発

Octave Photonics (コロラド州)

半導体処理の欠陥や安全違反につながる工場内外の空気中の汚染物質や有毒ガスを分析するための測定ツール開発

Virtual EM (ミシガン州)

無線環境の影響を正確に特徴付けるためのRFチャネル サウンダーシステム開発

The Provenance Chain Network (オレゴン州)

サプライチェーン全体にわたるマイクロエレクトロニクスコンポーネントのハードウェアセキュリティと出所追跡を強化する「Commercial Trust Protocol(CTP)」のリファレンス実装開発

Tiptek (ペンシルベニア州)

最先端の半導体で発生し、他の方法では検出が難しい「ソフト」な電気障害を検出するための、半導体障害解析機能を強化する高速ナノプローブ開発

Exigent Solutions (テキサス州)

リソグラフィシミュレーションを通じてチップ設計の最適化を自動化するAI搭載ソフトウェア開発

Laser Thermal Analysis (バージニア州)

マイクロプロセッサとワイドバンドギャップ半導体材料およびデバイスの熱抵抗、熱境界界面抵抗、および温度プロファイルのマップを自動的に生成するハイブリッド原子間力顕微鏡装置開発

Hummingbird Scientific (ワシントン州)

ナノスケールの電子デバイスのリアルタイム画像化を可能にする透過型電子顕微鏡の現場試料ホルダー開発

Steam Instruments (ウィスコンシン州)

材料特性評価のための高速かつ正確な高解像度イオン顕微鏡技術開発

なお、17社とも2025年春予定のSBIRフェーズIIの助成金の対象で、フェーズIIでは、各社最大191万ドルの支給が予定されており商品化の促進を支援するという。