ヤマハ発動機は5月19日、電子部品の表面実装(SMT)ラインにおけるはんだペーストの印刷工程向けプレミアムクリームはんだ印刷機「YRP10」を2023年8月1日より発売することを発表した。

同印刷機は、超小型チップ部品や狭ピッチ電極部品などの搭載ニーズへの対応、ならびに段取り作業の容易化を実現することを目的に開発されたもの。プリント基板を下方から支持するプッシュアップピンを自動で交換する段取り替え全自動化機能を採用したほか、同時に2本ずつ装着できるようにしたため、段取り替えの時間短縮も可能としたという。

また、最大200本のピンを配置可能で、最大420mm×420mmの大型基板にも対応可能しているほか、5mmピッチ仕様に加え、2.5mmピッチ仕様にも対応するとしている(2.5mmピッチ仕様の場合、対応基板サイズは最大420mm×250mm)。完全独立したデュアルレーン仕様にも対応しており、その場合、420mm×330mmの基板まで対応するという。

さらにオプションとして、印刷機が稼働中に次に使用するマスクをあらかじめセットしておくことで、現在の印刷作業を終えた後に、印刷機を停止させることなく自動的にマスクを交換する「マスク自動交換機能」や、マスク交換の際に仕様済みのマスク上に残ったはんだを自動で無駄なくすくいあげ、交換後の新しいマスクに速やかに移載することを可能とした「はんだ自動移載機能」、6オンスならびに12オンスのはんだシリンジに対応し、シリンジ残量検知によるシリンジが空になる前の補給警告を発砲可能な「はんだ自動供給(PSC:Print Stability Control)システム」なども提供される。

印刷速度はコアサイクルタイムで6秒としつつも、マスクのステンシル部を吸着固定することで、マスクフレームの歪みとステンシル部の伸びの影響を低減するマスク吸着機能により、基板とマスクを密着させ、±6σ:±16μm Cpk≧2.0(同社の最適条件下にて新たな業界標準となるCeTaQ製測定機での結果)の印刷精度を実現したとする。加えて、サーボモータを搭載し、スキージのアタック角度と速度をプログラムにより任意に設定・変更でき、使用するはんだに応じた最適条件で印刷が可能な独自の3S(Swing Single Squeegee)ヘッドを搭載したほか、素材と形状を見直した新型スキージを採用したことで、マスクの長寿命化ならびにローリング性、充填力の向上、はんだ貼りつき低減などの印刷品質の向上を実現したともしている。

なお、同社ではすでに先行しているほかのYRシリーズプラットフォームの表面実装機やディスペンサー、検査装置などと連携させることで実装工程の高効率化を目指すとしており、YRP10については発売から1年間で60台の販売を目指すとしている。

  • クリームはんだ印刷機「YRP10」

    「YRシリーズ」プラットフォームを採用したプレミアムクリームはんだ印刷機「YRP10」