Intelの研究組織である「Intel Labs」は、「Intel Research Center for Integrated Optics for Data Center Interconnects(データセンタのインタコネクトに光学技術を統合することを目的とした研究所)」を開設したと12月8日(米国時間)付けで発表した。

同センタの使命は、フォトニクス技術とデバイス、CMOS回路とリンクアーキテクチャ、パッケージ集積とファイバーカップリングに重点を置いて、光入出力(I/O)技術の微細化と高集積化を加速することだという。

データトラフィックの増加は、サーバ間でのデータのやり取りを増加させ、ネットワークインフラの負荷を高めているが、既存の電気的なI/Oパフォーマンスのスケーリングは追いついておらず、消費電力の増大を招いている。この課題は、半導体デバイスの技術的進歩と光I/Oの統合により解決できると考えられている。

すでにIntelは、統合フォトニクスの実現に向け、テクノロジービルディングブロックとして、光の生成、増幅、検出、変調、CMOSインタフェース回路、およびパッケージの集積に成功したことを報告しており、さらなる技術改善により光I/Oが、リーチ、帯域幅密度、消費電力、および遅延の主要なパフォーマンスメトリックにおいて、電気I/Oを上回る可能性が示されたとしている。

Intel LabsのSenior principal engineer and director of the PHY Research LabであるJames Jaussi氏は「Intel Labsだけで必要なすべての研究を行えるとは考えておらず、全米のトップサイエンティスと協力して、差し迫ったパフォーマンスの障壁を克服する方法を模索していきたい」と述べている。

このため、Intel Labsは、世界的に有名な研究者を集めて、今後10年先のエネルギー効率と帯域幅のパフォーマンス要件を満たす技術を探索するとし、カリフォルニア大学サンタバーバラ校のJohn Bowers教授、イリノイ大学アーバナシャンペーン校のPavanKumar Hanumolu教授、ワシントン大学のArka Majumdar教授、テキサスA&M大学のSamuel Palermo教授、オレゴン州立大学のAlan Wang教授、カリフォルニア大学デービス校のSJ Ben Yoo教授の7名を共同研究参加者として指名している。