ルネサス エレクトロニクスは8月27日、100%子会社であるルネサス セミコンダクタマニュファクチュアリング(RSMC)の滋賀工場について、8月31日付で集約を完了し、集約後の土地について、アーク不動産に譲渡することを発表した。

同社は、滋賀工場について2018年6月に合理的かつ安定的な製品供給を継続する運営が困難になると判断したとし「今後2~3年をめどに工場閉鎖および集約を行う」と発表していたが、滋賀工場の化合物半導体の生産ラインについては、生産ラインのコンパクト化による生産効率の維持・改善により、高い成長が期待される光通信市場を中心に事業の拡大を目指していた。

しかし、2020年5月に近年の技術・価格競争の激化によるシェアの低下などから今後の継続的な収益確保が難しいという判断し、レーザーダイオード(LD)ならびにフォトダイオード/フォトディテクタ(PD)事業からの撤退を決定したことに伴い、滋賀工場のすべての生産活動の停止を発表していた。

工場閉鎖の決定に伴い同社は、2021年3月末にシリコン生産ラインの生産を停止。同年8月末に残る化合物生産ラインの生産を停止し、工場を閉鎖するという。

滋賀工場で生産していた製品は、同社のグループの他拠点への生産移管や生産中止を行い、滋賀工場の土地譲渡は2021年10月末までに完了させる予定だとしている。

なお、同社は2022年6月末に150mm(6インチ)ウェハを用いてマイコンや家電向けシステムLSIなどの生産を担当してきた山口工場の集約を発表している。