Samsung Electronicsは、半導体およびディスプレイ製造装置パートナーの韓FNS Techと共同でCMPパッドの再利用技術の開発に成功したと韓国の電子産業専門メディアetnewsが報じている。

CMPパッドは、CMP工程において、実際に半導体ウェハの表面を研磨して平坦化するために必要な材料。回転するパッドと、研磨材(CMPスラリー)が展開されたウェハを合わせることで平坦化を行う。パッドには主にポリウレタンが用いられ、消耗品として扱われるため、通常は使用後に廃棄・焼却されている。韓国半導体業界では、CMPパッドの継続的な購入と廃棄のコスト、および温室効果ガスの排出などの環境負荷低減に向け、CMPパッドの再利用ニーズが以前からあったという。

今回、SamsungとFNSが開発した技術を用いて再利用されたCMPパッドは、新品と比較してほぼ100%の性能を示したという。CMPパッドは、ウェハと接触するパッド、接着剤、サブパッドを含む4枚のシートで構成されているが、使用済みCMPパッドを各シートごとに分離し、摩耗した部品を充填し、特定の厚さに再硬化することにより、CMPパッドの再生を可能にしたという。また、この再利用可能なCMPパッドに関連する共同特許も申請しているという。

韓国半導体材料業界関係者によると、世界のCMPパッド市場は約1兆ウォン(1000億円)規模で、現在、韓国で使用されているCMPパッドの70〜80%は米DuPont製とされている。DuPontも、韓国内での高いシェアを維持するという思惑と、韓国内での半導体関連製品ソリューションの製造比率を高めたいという韓国政府の思惑が一致していることもあり、CMPパッドの韓国内生産を進めており、増産に向けた準備も進めているという。

なお、SamsungとFNSは、今回開発した再利用可能なCMPパッドの性能評価を継続して進めていくことで、生産抗体における導入割合を増やす予定としている。それを受け、FNSも再利用可能なCMPパッドの大量生産に向けた製造設備の拡張を図っていくとしているという。