ソニーセミコンダクタソリューションズは6月29日、単露光方式で従来比約8倍のダイナミックレンジを実現する、セキュリティカメラ向け1/1.2型4K解像度CMOSイメージセンサ「IMX585」を発表した。

  • CMOSイメージセンサ

    1/1.2型(対角12.84mm)、有効841万画素の4K解像度CMOSイメージセンサ「IMX585」

同製品は、セキュリティカメラ向け裏面照射型画素技術として、画素サイズの制約がある中でも受光部の面積を広くすることで高感度に加えてHDRを実現した「STARVIS 2」を採用することで、1.2型4K解像度イメージセンサとして、単露光方式として従来品(1/1.2型有効約842万画素4K解像度CMOSイメージセンサ「IMX485」)比で約8倍となる、88dBのダイナミックレンジを実現したほか、多重露光方式においても106dBの広いダイナミックレンジを実現したという。

また、受光部の光の入射面に凹凸を設けることで入射光を回折させて、非可視光である近赤外光の吸収率を高める独自のデバイス構造を採用することで、近赤外領域における感度を従来比で約1.7倍に高めることに成功。これにより、夜間などの暗いシーンでよく利用される近赤外撮影においても、高画質な撮影が可能となったという。

  • IMX585

    従来品とIMX585の比較

なお、サンプル出荷は7月からを予定しており、サンプル価格は4400円としている。また、同社ではSTARVIS 2を採用し、単露光方式で88dBのダイナミックレンジを実現した1/3型2K解像度イメージセンサ「IMX662」についても、2021年中にサンプル出荷を開始する予定としている。