Samsung Electronicsが4月29日に発表した2021年第1四半期の連結決算における部門別業績によると、半導体部門はDRAMの市況回復の恩恵を受けて売上高は前年同期比8%増の19兆100億ウォンであったが、営業利益は同16%減の3兆3700億ウォンにとどまったという。米国テキサス州オースチンにある子会社Samsung Austin Semiconductorの工場が2月中旬に寒波による停電で4000億円規模の仕掛かり品に被害が生じただけではなく、稼働停止による機会損失がさらに利益を押し下げた形となった模様だ。

第2四半期には収益回復の見込み

Samsungのメモリ事業は、サーバやモバイル製品に支えられて需要が増加したにもかかわらず、NAND価格の下落と新規製造ラインの立ち上げに伴う初期費用負担により、利益が減少する結果となったとするが、第2四半期に向けて、すべてのアプリケーションにわたる強い需要を含む良好なビジネス状況の中で、大幅な収益の改善を見込むとしている。

DRAMの需要は引き続き堅調であるほか、NANDも5Gスマートフォンでの搭載容量の増大、サーバSSDの容量増大などを背景に、市場が拡大し、それが収益の改善を後押しする見通しだとしている。

2021年下期にはEUV適用DRAMや176層NANDなどが登場

また、同社は下半期には多くの国で景気回復が加速する中、データセンターへの投資拡大に伴い、サーバとストレージの需要が拡大し続ける見込みであるとするほか、モバイルの需要も主要顧客からの新モデルの発売により増加し続けるなど、全面的な需要の増加が続くため、DRAM価格は下半期まで上昇傾向が続くと予想している。また、NANDについては、特定アプリケーションの需要が供給を上回ると予想している。

さらに、下半期は、15nmプロセスDRAMと128層の第6世代V-NANDでビット成長とコスト競争力を高めつつ、14nm DRAMにEUVを適用するほか、ダブルスタックベースの176層第7世代V-NANDの生産を拡大する計画だとしている。

米国工場の停電の影響を受けたシステムLSI事業

ファウンドリを含むシステムLSI事業の第1四半期の事業は、フラッグシップやハイエンドスマホの発売に支えられ、モバイルSoCとイメージセンサの供給を増やしたが、米国テキサス州のファウンドリの停電による生産中断による影響により、収益はほぼ横ばいにとどまったという。

第2四半期は、スマホ需要が季節的に減少するほか、第1四半期に発生したファウンドリの生産停止の影響が続くため、モバイルコンポーネントの需要は弱まると予想している。また、下期も現在の供給不足の状況が続く可能性があるとしており、自社ファウンドリとの連携を強化し、アウトソーシングファウンドリの活用を拡大することで、チップの供給能力を最大限に発揮していくとしている。

なお、同社では、現在、3nmプロセスの開発を開始したほか、5G向けに14nmおよび8nm RFプロセスの開発を完了したとしている。また、下期には韓国平澤事業所第2ラインの量産開始により供給拡大を図ることが可能で、顧客からの需要の高まりを受け、従来予測を上回る成長を遂げることができると予想しているという。