非半導体メモリビジネスの強化を掲げ、「総合半導体強国」を目指す韓国が2021年の非メモリ半導体研究支援策と非メモリ人材育成策として2月1日、韓国通商産業資源部(日本の経済産業省に相当)が、パワー半導体、次世代センサ、AI半導体などのシステム半導体(韓国勢が半導体メモリに対して非メモリデバイス全般を指す同国特有の言葉)の有望分野に2400億ウォン規模の研究開発費を支援すると発表した。

具体的には、ファブレスICベンチャーの育成と有望市場の先取り、新市場の開拓などの支援に向けた施策として、以下のようなものを掲げている。

ファブレス成長支援

売上高1000億ウォン以上のグローバルファブレス企業の育成に向け、チャレンジ型研究開発として、成長の可能性が高いファブレスを対象に競争力のある戦略製品の開発を支援するという。2021年は合計4つの企業が選定される予定。それと共に、システム半導体産業のエコシステムづくりに向けた顧客企業とファブレスを連携させた共同研究開発を進め、中小ファブレスの創業と成長のために商用化技術、投資型技術などの開発をサポートを行っていくとする。

有望市場の先取り

デジタルニューディールとグリーンニューディールの核心部品である、次世代パワー半導体であるSiCやGaN、データ収集を担当する次世代センサの研究開発を強化する。

特にSiCやGaN半導体は、シリコン半導体と比較して高い耐久性と電力効率を持っており、成長の可能性が高いので、韓国政府は、有望市場の先取りに向けた研究開発支援を予定している。また、主力産業のデータ需要の増加に対応するため、次世代センサの研究開発支援、センサ製造の技術革新プラットフォーム構築、実証テストベッドの設立などを推進する。

新市場の開拓

AI半導体分野を集中支援する方針で、次世代のインテリジェント半導体技術開発事業の創出に向け、支援規模を2020年の831億ウォンから1223億ウォンに増額。特にメモリとプロセッサを統合したPIM(Processing in Memory)技術の推進を図るとする。

非メモリ開発の中核人材輩出を計画

この動きに合わせるように韓国通商産業資源部は1月末、2022年までに3600人のシステム半導体人材を輩出することを骨子とする「システム半導体中核人材養成方案」を発表している。

その内容は、学士級の人材育成に向け学部3年生を対象に、システム半導体設計に特化した教育課程を各大学に新設。履修者は卒業後、ファブレス企業への就職時に追加トレーニングなしに実務投入できるように教育するという。また、韓国半導体工業会と協力してファブレスへの就職をサポートする。

さらに2021年からは、学生が入学に際して特定企業への就職を契約し、学費を企業が支払う制度「採用連携契約学科」を活用する形で、延世大学 システム半導体工学科の卒業生をSamsung Electronicsが毎年50人、高麗大学 半導体工学科の卒業生をSK Hynixが同30人採用する計画だという。

加えて修士と博士人材の育成に向け、今後10年間で政府と企業がそれぞれ1500億ウォンずつ投入し、3000人を排出することを目指すという。

このほか、2021年に新設された「次世代システム半導体設計専門人材養成事業」を通じて、次世代産業に特化した専門人材の養成も進めるほか、パワー半導体やAI半導体など有望分野の専門人材の養成の拡大に向け、半導体の設計教育センター(IDEC)や設計支援センターなどのインフラ強化を図っていくとしている。