Samsung Electronicsは10月29日、2020年第3四半期(7~9月期)の決算概要を発表した。それによると、連結売上高は前四半期比26%増、前年同期比8%増の66兆9600億ウォンで四半期ベースの過去最高値を更新した。

それによると、連結売上高は前四半期比26%増、前年同期比8%増の66兆9600億ウォンで四半期ベースの過去最高値を約3年ぶりに更新した。また、営業利益も前年同期比59%増の12兆3500億ウォン、純利益も同49%増の9兆3600億ウォンと好調さを示した。

スマートフォン(スマホ)と家電製品の販売が大きく伸びたことが背景にあるという。また、半導体部門の売上高は18兆8000億ウォン、営業利益は前年同期比82%増の5兆5400億ウォンに達し、全体の利益の伸びを支えた。特にスマホ向けメモリが大きく伸びたものの、データセンター向け半導体メモリの出荷は伸び悩んだという。また、ディスプレイ事業の営業利益は同60%減の4700億ウォンにとどまった。

コロナ禍で高まる半導体需要

また、第4四半期については、サーバメモリの需要が低いままであること、ならびにセット事業の競争激化などを背景に、全体の収益性が低下すると見られている。そのため、半導体事業については、メモリのプロセス微細化を進めるのと、ノートPC向け需要が高いにも関わらず、顧客の在庫調整に伴うサーバメモリ価格の下落と、新規ラインへの投資などが重なり、収益は減少する見通しとしている。

また第3四半期のシステムLSI事業については、主要なモバイル向け部品需要の回復とファウンドリの主要顧客のHPC(High Performance Computing)用チップなどの受注増により収益が改善に寄与したほか、DDI(Display Driver IC)やCIS(CMOS Image Sensor)などのモバイル向け部品の需要回復も収益改善につながったとする。

さらに、第4四半期は、最先端となる5nmプロセスを用いた5Gモデムを内蔵する5G SoCの供給を本格化するほか、高画素CMOSイメージセンサとして差別化製品を積極的に提供することで、モバイルSoC事業の拡大に注力する方針である。

コロナ禍のテレビ需要とiPhone 12に支えられるディスプレイ事業

一方のディスプレイパネル事業だが、第3四半期の売上高は7.32兆ウォン、営業利益は0.47兆ウォンであった。スマートフォン、TV・モニター用パネルの販売が伸びたほか、Apple iPhone 12の発売による有機EL(OLED)の販売も伸びたという。

また、第4四半期の中小型ディスプレイ事業は、高付加価値製品の販売比重を高めていくことで、売り上げと収益性の改善を図る一方で、大型ディスプレイ事業は、顧客のニーズに支障なく対応しながら新技術ベースの事業構造転換を加速する方針としている。加えて、2021年については、中小型ディスプレイ事業は、5Gスマホ市場の拡大に合わせて差別化された技術によるコスト競争力の強化を図る予定とするほか、大型ディスプレイ事業は、QDディスプレイを活用したプレミアムテレビ製品に向けた事業基盤を構築する計画としている。