ジャパンディスプレイ(JDI)は5月9日、静電容量式ガラス指紋センサ技術とフレキシブルディスプレイ技術を組み合わせることで、曲げても割れない静電容量式フレキシブル指紋センサを開発することに成功したと発表した。

同社は2018年より静電容量式のガラス指紋センサの量産を開始しているが、その系譜となる次世代品として、透明センサの開発を進めている。

今回のフレキシブル指紋センサもそうした流れの中で開発されたもので、指紋センサを形成する基板に厚さ数十μmのプラスチックを用いることで、薄くて軽く、曲げても割れないフレキシブル性を持たせることに成功したという。

開発されたセンサは256階調で大きさは約0.7型(約10.5mm×14.00mm)。柔軟性があるため、ノブと一体化してスマートドアを実現したり、クルマのハンドルと一体化させたスマートハンドルといったことが可能になるほか、プラスチック基板を採用しているため、落下衝撃によって基板が割れるといった心配も減り、ポータブル機器などでも利用が期待できると同社では説明している。

なお、同開発品は5月12日~17日(米国時間)にかけて米国にて開催されるディスプレイ関連の世界最大級の国際学会「SID DISPLAY WEEK 2019」の同社展示ブースにて14日~16日(米国時間)の3日間展示される予定となっている。また、実際の商用展開については、2020年半ばを目指すと同社では説明している。

  • 静電容量式フレキシブル指紋センサ

    JDIが開発した静電容量式フレキシブル指紋センサ