ジャパンディスプレイ(JDI)は12月20日、かねてより事業化を目指していた低温poly-Si(LTPS)技術とタッチパネル技術をベースとした透明な静電容量式ガラス指紋センサの量産を開始することを発表した。

  • 静電容量式ガラス指紋センサのガラス基板
  • 静電容量式ガラス指紋センサのガラス基板
  • 静電容量式ガラス指紋センサのガラス基板(第3.5世代) (2018年1月の発表会の際に編集部が撮影)

指紋センサを用いた認証は、スマートフォンで活用されてきたこともあり、広くその有用性などが認知されており、住宅のドアセキュリティや自動車のドアロックなどへの展開が期待されている。ただし、こうした新規アプリケーションでの適用を考えた場合、従来以上に高い信頼性に基づく個人認証を行なう必要があり、指全体の検出を行なう必要性が求められており、高価なシリコン製の指紋センサに変わる、安価なガラス製指紋センサの実用化が求められていた。

  • 静電容量式ガラス指紋センサのデモ
  • 静電容量式ガラス指紋センサのデモ
  • 静電容量式ガラス指紋センサのデモ
  • 静電容量式ガラス指紋センサのデモ
  • 静電容量式ガラス指紋センサのデモ。モニタの下、四角の部分がセンサ。登録されている指紋を認識した場合、センサの下に設置されたディスプレイ上に緑色の○が表示されるが、登録されていない指紋を認識した場合、赤色の×が表示されるというものとなっている (2018年1月の発表会の際に編集部が撮影)

同社は、こうしたニーズを背景にガラス製指紋センサの開発、ならびに指紋センサの駆動技術や認証アルゴリズムなど、ソリューションとして提供できるさまざまな技術開発を進めていた。

  • 静電容量式ガラス指紋センサモジュール

    静電容量式ガラス指紋センサモジュール

今回の量産開始決定は、スマートドアロック向けに採用されたことを機に決定されたものとのこと。今後は、より大きなサイズのセンサであったり、透明性を生かした商品デザインへの展開、フレキシブルセンサの実現など、指紋センサを活用した新たな市場の開拓を進めていくと同社では説明している。