半導体市場調査会社の米VLSIresearchは5月18日(米国時間)、2016年度の半導体製造装置サプライヤ顧客(半導体メーカー)満足度の調査結果を発表した。製造装置には検査装置や後工程の組立装置を含み、大企業および中小企業別トップ10(表)には日本の半導体装置装置メーカーが5社ランクインしている。

同調査はVLSIresearchが1988年以来毎年実施しているもので、この種の調査としては、世界の半導体業界で唯一のものである。調査は2016年初めに2カ月半かけて世界中の半導体メーカーの関係者に質問状(英語、日本語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語の5種類の言語)を送り、最終的に3619人から回答を得ており、調査の回答は半導体製造装置顧客企業の95%以上をカバーしている。質問状は、「サプライヤの能力」、「顧客サービス」、「装置性能」の3分野に関して15の質問で構成されている。

10点満点の評価で9点以上の高得点を得たのは、大企業では、LSIテスト装置メーカー、米Teradyneとそのライバルのアドバンテストの2社、中小企業ではイスラエルに本社を置く後工程装置メーカーAdvanced Dicing Technologies(ADT)、ドライエッチング・プラズマCVD装置メーカー、米Plasma-Therm, イオン注入装置メーカー米Axcelixs Technologiesの3社だった。

大手装置メーカーの顧客満足度ランキングの第1位は2015年に引き続きTeradyneだった。2位のLSIテスト装置メーカー アドバンテスト、3位の露光装置メーカー、オランダASMLまでは前年と順位に変動がない。4位には、昨年7位だった日立国際電気が入った。昨年の得点は8.25点だったが、今年は0.55点高い8.80点を獲得した。5位には、香港に本社を置くASMグループの後工程装置サプライヤASM Pacific Technologyが新たに入った。6位は、昨年5位だった東京エレクトロンが入った。昨年の得点8.80点から0.3点得点を落とし8.51点だった。7位は、昨年4位だった日立ハイテクノロジ―(昨年8.96点、今年8.13点)。8位は、昨年6位だった世界最大の半導体装置メーカーであるApplied Materials(昨年8.26点、今年8.12点). 9位にはドライエッチング・CVD装置で世界をリードする米Lam Reserch(昨年8位)10位にはウェハ検査装置メーカーの米KLA-Tencor(昨年9位)が入った。

なお中小企業部門の第1位は、前出のAdvanced Dicing technologiesだった。昨年は8.89点で2位だったが、今年は得点を9.25点へと大きく伸ばしトップに躍り出た。一方、昨年1位だったAxcelisは3位に後退した。トップ10の最後に日本の装置メーカーとして唯一、東京精密が新たにランクインした。

表 2016年度の半導体製造装置メーカー(前工程、後工程、検査装置を含む)顧客満足度トップ10(装置の顧客である世界中の半導体メーカーの関係者3619名が企業能力、顧客サービス、装置性能の3点で評価した結果に基づく。世界中の半導体メーカーの95%以上より回答を得たという)。 (出所:VLSIreserch)