このものづくりのまとめ

  • 三菱電機ら3社が、回収エアコンに含まれるレアアース磁石を取り出して再資源化し、新しいエアコンにに再利用する「自己循環リサイクル」を開始
  • 三菱電機、信越化学工業、エコアドバンスの3社が連携。分量は、三菱電機がエアコン製造時に使うレアアースの約35%(重量ベース)に相当
  • 業務用空調製品などについても資源循環スキームの構築をめざす

廃棄されたエアコンなどの家庭用空調製品からレアアース磁石を回収して再資源化し、新しいエアコンへ再利用する「自己循環リサイクル」を、三菱電機ら3社が開始したと6月2日に発表。同様の取り組みは、国内では初めてだという。

  • 家庭用空調機器からレアアース磁石を回収・再利用する自己循環リサイクルのスキーム

    家庭用空調機器からレアアース磁石を回収・再利用する自己循環リサイクルのスキーム

三菱電機、信越化学工業、エコアドバンスの3社が連携して進める取り組みで、三菱電機が一連のリサイクルの流れを一貫して管理。エアコンの回収からレアアース磁石の製品への再利用まで、円滑な循環と効率化を追求し、希少資源の有効活用を通じたサーキュラーエコノミーを推進するとしている。

三菱電機が回収するレアアースは、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、ジスプロシウム(Dy)、テルビウム(Tb)の4元素。このスキームで再利用するレアアース磁石は、同社が国内でエアコンを製造するときに使うレアアースの約35%(重量ベース、試算対象はジスプロシウムとテルビウム)に相当すると見込んでいる。

流れとしてはまず、三菱電機の関係会社であるハイパーサイクルシステムズが、家電リサイクル法に基づいて家庭用空調製品を回収・解体。同じく関係会社であるグリーンサイクルシステムズが、回収・解体された部品のうち圧縮機を分解してローター部品を取り出す。

ローター部品とは、モーターの回転子側を構成するシャフトや鉄心、磁石といった部品群のことを指す。これらの部品からのレアアース磁石の取り出しはエコアドバンスが担当し、信越化学は取り出されたレアアース磁石からレアアースを分離・精製して再資源化する。このレアアースを、三菱電機がエアコンに再利用する。

レアアースをはじめとする希少資源は採掘量に限りがあり、採掘時の環境負荷も高いことから、使用済み製品から回収・再利用する資源循環の仕組みづくりが求められてきた。しかし、エアコンからのレアアース回収は、部品の分解の難しさやコストなどの要因で回収率が低く、資源の循環利用を進める上で課題だった。

今後は、レアアース磁石を使用する業務用空調製品やその他の三菱電機製品についても、それぞれの回収ルートに応じた資源循環スキームの構築をめざし、サーキュラーエコノミーの取り組みを一層推進。希少資源の有効活用と環境負荷低減の両立をはかる考えだ。