給湯器が壊れた可能性のある症状
給湯器が壊れている可能性がある場合、以下のような症状が見られます。
- 症状1.お湯が出ない、温度が安定しない
- 症状2.給湯器から水漏れしている
- 症状3.給湯器から異音がする
- 症状4.給湯器から異臭がする
- 症状5.給湯器から黒い煙が出ている
- 症状6.給湯器が変形している
給湯器が壊れてしまうと、普段の生活で困るだけではなく、例えば水漏れによって水道の料金が増えたりとさまざまな被害が考えられますので、症状について当てはまるかチェックしてください。
症状1.お湯が出ない、温度が安定しない
給湯器が壊れると、お湯が出ない・温度が安定しないという症状が見られます。
お湯が出ずにずっと水が出る状態になってしまうのは給湯器トラブルの中でもかなり多い症状です。
また、最初はお湯が出たけれど温くなったり熱くなったりと水温が安定しない、または設定どおりの湯温まで上がらないというケースもあり、これらの原因には給湯器本体や部品の経年劣化が考えられます。
お湯の温度が上がらない場合の詳細はこちらの記事でもご紹介していますので参考にしてみてください。
症状2.給湯器から水漏れしている
給湯器から水漏れが起きている場合は、給湯器が壊れている可能性があります。
例えば、丸一日使っていなかったのにも関わらず、給湯器の周辺が不自然に濡れていたという場合は、水漏れが生じている可能性が高いでしょう。
そういった場合、給湯器本体の不具合や配管の不具合などが考えられます。
給湯器の水漏れに関してはこちらでも詳しくご紹介していますので参考にしてください。
症状3.給湯器から異音がする
給湯器を使用する際に、普段聞き慣れない異音が聞こえて来たら注意が必要です。
特にお湯を出したときに、内部から「ボン!」「ガン!」という音が聞こえたら要注意です。
正常な状態ではそのような大きな着火音は生じませんので、機器の内部で不完全燃焼が起きている可能性が高いです。
またこれ以外にも異音は複数あり、その聞こえ方によって原因等も違うため、給湯器から異音が聞こえるという場合はこちらの記事を参考にしてください。
症状4.給湯器から異臭がする
機器内部で不完全燃焼が起きると給湯器からガスの異臭がすることがあるため、給湯器から異臭がする場合は給湯器の故障が疑われます。
例えば、経年劣化によりガス管に亀裂が生じているケースも充分に考えられるため、これに関しては早急な対応が必要です。直ちに使用を中止し、専門業者へ相談してください。
症状5.給湯器から黒い煙が出ている
給湯器から黒い煙が出ている場合、そのまま放置して使用を続けると事故に繋がることもあるため、すぐに使用を中止してください。
給湯器から出る煙は「白い煙」と「黒い煙」の2種類があり、白い煙であれば水蒸気による白いモヤの可能性があり、問題ではありません。
ただし、黒い煙が出ていたら内部で不完全燃焼を起こしていると考えられますので、すぐに使用を中止し専門業者に相談しましょう。
症状6.給湯器が変形している
給湯器が変形している場合は、内部へのダメージも考えられるため壊れている可能性もあります。
そもそも給湯器は外に設置される事も多いため頑丈に作られており、外部からの多少の衝撃で変形することはほとんどありません。しかし、内部でガス漏れや水漏れ、異常着火や腐食などが生じていると、まれに変形してしまうことがあります。
2020年には、ヒートポンプユニット内にある圧縮機が腐食によって破損し、給湯器運転中にユニット本体が変形するリスクがある理由でリコールされた製品もあります。
そのため、給湯器の変形が確認された場合は注意が必要です。
給湯器が壊れる原因とは?
給湯器が壊れる原因にはいくつかあり、具体的には以下のようなものがあります。
- 原因1.経年劣化、寿命
- 原因2.凍結
- 原因3.過度な負担
- 原因4.大雨や台風など天候の影響
原因1.経年劣化、寿命
給湯器が壊れてしまう原因の中でも、もっともよくあるのが経年劣化です。
給湯器はほぼ毎日使用する使用頻度が高い機器のため、部品の摩耗や基板の劣化などは避けらず、寿命・耐用年数は約10年と言われています。
また、給湯器はほとんどの場合で屋外に設置されており、給湯器を手入れする機会も多くないため、頑丈なつくりとはいえ経年劣化やトラブルは避けられず、いつの間にか不具合が起こっていた、ということも考えられます。
給湯器の寿命に関してはこちらの記事でもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
原因2.凍結
氷点下以下の気温が長時間続くと、水道管内が凍結してしまい、給湯器が壊れる原因となってしまいます。
寒冷地ではよく起こるトラブルですが、家の北側や裏手など日当たりの悪い場所に設置されていると、寒冷地ではない温暖な地域でも真冬に凍結することがあります。
また冬場、長期間に渡って使用しなかった場合は内部に同じ水が溜まっている状態なので凍結しやすい状況です。帰宅して最初にお湯を使うときは注意が必要でしょう。
凍結に関してはこちらの記事でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
原因3.過度な負担
給湯器はどの機種も全て同じ給湯能力ではなく、家族の人数や用途に合わせてパワーが違うため、小さい給湯器を大人数で使うなど、無理な使い方をすると壊れるきっかけとなってしまいます。
給湯器には号数というものがあり、簡単に言うと「給湯能力を表す数字」があります。
号数によって給湯能力に違いがあり、例えば16号は単身の方に向いている、24号は4人以上の家族に向いているなど、家族構成やお湯の使用量によって最適な号数があります。
しかし、号数に見合った使い方ではない場合、給湯器への過度な負担となってしまいます。その結果、故障が発生しやすく部品などの劣化も早まり、使用年数も短縮します。
原因4.大雨や台風など天候の影響
給湯器は外に設置されることも多いため、ある程度の雨や風には耐えられるよう設計されていますが、台風や集中豪雨など、大きな雨風にさらされてしまうと、トラブルが発生しやすくなってしまいます。
例えば激しい雨風によって水が入り込んで点火しづらくなったり、内部にたまったゴミやホコリが湿気を帯びて、さまざまな不具合が生じたりすることが考えられます。
2000年代以降に作られた給湯器であれば、雨水が入り込みにくい構造になっているため、天候の影響は少ない構造になっていますが、非常に古い給湯器や給湯器の変形等が起こり、雨水が入ってしまう可能性も考えられます。
壊れる原因として可能性は少ない方ですが、ありえないことではないため、その他の原因に当てはまらない場合はこちらも疑ってみましょう。
給湯器が壊れたかどうかの確認方法と対処法
給湯器が壊れたかを判断するポイントとしては以下の5つが挙げられます。
- ガスに問題がないか確認する
- 電源に問題がないか確認する
- 水道に問題がないか確認する
- 水の循環に問題がないか確認する
- 表示されているエラーコードを確認する
これらのポイントやその対処法を詳しくご紹介します。
ガスに問題がないか確認する
給湯器以外のガス機器も一緒に使えない場合はガスの問題である可能性もあるため、ガスに問題がないかを確認してください。
まずは給湯器のガスの元栓が閉まっていないかチェックし、問題なければ次にガスコンロやガスストーブなど他のガス機器が使えるかどうか確認してみましょう。
他のガス機器も使用できなければ、大きな地震や衝撃によって、大元であるガスメーターの安全装置が稼働し停止している可能性が考えられます。
ガスメーターは一般家庭では玄関付近の外壁、マンションなどの大型共同住宅の場合は共用廊下のメーターボックス内などに設置されています。ガスメーターをチェックし、赤ランプが点滅していたら、ガス供給が停止しています。
復帰させる手順は機種によって異なるので、ガス会社やメーカーのサイトを参考にしましょう。
電源に問題がないか確認する
家中のお湯が出ない場合は電源に問題がある可能性があるため、給湯器の電源が入っているかを確認しましょう。
例えば、子供のいたずらによって給湯器のコンセントが抜かれていたり、落雷や地震の直後ならば停電の可能性も考えられます。
電源が入っている場合は、いったん電源を切ってから再度起動させると直っていることがありますので、念の為、再起動を行うことも頭に入れておきましょう。
水道に問題がないか確認する
お湯が出ないだけではなく、水も出ない場合は水道に問題がある可能性がありますので、水道に問題がないかを確認しましょう。
冬の寒い朝などは、お湯どころか水も出ないトラブルが発生することがあり、これは凍結によるものと考えられます。
給湯器が凍結している場合は水抜きを行うか、気温の上昇を待つ、または給水元栓にタオルなどをあて、「30~40度程度のぬるま湯」をかけます。
このとき熱湯をかけてしまうと配管が破裂する危険があるので絶対にやめましょう。また、電源プラグやガス管にお湯がかかると漏電してしまう可能性もありますので注意が必要です。
水抜きの詳しい方法に関してはこちらの記事でご紹介していますので参考にしてください。
それ以外にも、温暖な地域や夏場であれば、給湯器のトラブルではなく断水が考えられますので、まずは水道の元栓が開いているか確認し、そこが問題ないのであれば周辺一帯が断水していないかもチェックしてみてください。
水の循環に問題がないか確認する
「追い焚きができない」「お湯がぬるい」という時は水の循環に問題がある可能性がありますので、まず湯量をチェックしてください。
お湯を循環させて温めるタイプでは追い焚きポンプの作動を促すため、一定量以上の残り湯が必要です。安全上の理由から、水量が少ないと追い焚き機能がうまく働かないため、浴槽に水または湯を足してから再試行してみましょう。
それでも機能しないときは循環アダプタやフィルタの汚れ、キャップやヘアピンなどの異物がつまっていることで水の流れが滞ってしまっているケースが考えられます。
また、循環アダプタが正しく装着されているかも確認しましょう。
表示されているエラーコードを確認する
給湯器に不具合が生じた場合、リモコンにエラーコードが表示されることがありますので、表示が出ているかを確認しましょう。
例えば前述の「水の循環に問題がある場合」は「632(E632)」が表示されますし、「140(14)」などは燃焼系部品のトラブルが考えられます。
それ以外にもさまざまな種類のエラーコードが存在しており、中には自力では解決できないものもあります。
解決方法についてはメーカーのホームページや取扱説明書に記載があると思いますが、すぐに知りたいという人のためにこちらの記事にエラーコードについてをまとめていますので参考にしてください。
すべてを試しても直らないときは業者に依頼を
自力でいろいろ試しても直らないとき、特に給湯器そのものの故障が疑われる場合や使用年数が長い給湯器のトラブルは、早めに「プロ」である給湯器専門業者やメーカーに相談しましょう。
給湯器は毎日使うものであり、お湯はライフラインの中でも重要です。自分で対処を試みても解決できない場合、徐々に被害が大きくなり時間やお金を無駄にしてしまうこともあります。「わからない」「できない」と感じたときはすぐに業者を頼りましょう。
ただし、賃貸住宅にお住まいの方は、まず管理会社や大家さんに連絡する必要があります。入居時点で部屋に用意されていた備品や設備は大家さんの持ち物となるからです。
通常の使用での故障やトラブルならば修理代金も管理側が支払いますが、勝手に修理を依頼してしまうと自己負担になってしまう可能性があります。
そのため、賃貸の場合はすぐに業者を呼ぶのではなく、まずは管理会社または大家さんに連絡し対応してもらうように依頼しましょう。
修理ではなく交換の方がよいケースとは?
給湯器の使用年数が長い場合、修理よりも交換したほうが良いケースがあります。
使用年数が長い給湯器の場合、不具合部分を修理して一時的に直ったとしても、また他の部位が経年劣化によってトラブルを起こす可能性が高いからです。
購入して間もない給湯器であれば、おそらく保証期間内であり無料で修理してもらえますが、保証期間を過ぎている場合は繰り返しかかる修理費用の方が高くついてしまうケースも考えられます。
給湯器の寿命は約10年と言われているため、使用開始から10年前後以上経過している給湯器は交換することで、長い目で見れば修理するより費用を安く抑えられます。
給湯器の修理の目安に関してはこちらでご紹介していますので参考にしてください。
壊れた給湯器を放置するのは危険!
壊れた給湯器を放置しておくと、さまざまなリスクが考えられるため、故障が見られた際は必ず修理・交換を行いましょう。
例えば、給湯器のよくある不具合として「水漏れ」があげられますが、少量かつ使用時に影響がないときなどはつい放置してしまうという人も少なくありません。
しかし、水漏れを放置すると水道料金とガス料金に影響が出ます。微々たる量であっても、積み重なっていくと水道使用量が増え、お湯を沸かすにも時間がかかってガスも無駄に使ってしまいます。
また、常時水漏れするようになれば、集合住宅などでは階下の部屋への浸水トラブルも考えられますし、水漏れが給湯器内部で生じた場合は、ガスが不完全燃焼を起こして一酸化炭素を発生させてしまい、この場合命を落とす事故にもなりかねません。
無色透明、無臭の気体であるため感知しづらく、気づいたときには一酸化炭素中毒に陥ってしまい、重体あるいは死亡という可能性もあります。特に、古い給湯器などでは事故を未然に防ぐための不完全燃焼防止装置が付いていないこともあるため注意が必要です。
このように、壊れた給湯器を放置しておくと二次被害に繋がりかねないため、故障が疑われる場合は速やかに修理・交換を行いましょう。
ちなみに、一酸化炭素中毒に関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので参考にしてください。
給湯器を長持ちさせるポイント
給湯器を長持ちさせるポイントには以下のようなものがあげられます。
- 給湯器の周辺を塞がない
- 入浴剤の種類に気をつける
- こまめな掃除やメンテナンスを行う
- 使用環境に合った号数の給湯器を使う
給湯器の寿命は10年前後が目安と言われますが、5~6年で寿命が尽きてしまうこともあれば、15年以上問題なく使えることもあり、寿命を延ばすポイントがありますので、詳しくご紹介します。
給湯器の周辺を塞がない
給湯器の近くは常にきれいにしておくことで、給湯器の寿命を伸ばすことに繋がります。
特に排気口付近が枯れ葉などで塞がると、十分な排熱・排気が行われず、不完全燃焼を起こしてしまう可能性があり、一酸化炭素中毒の危険性や、機器を傷める要因にもなります。
そのため、給湯器の作動を邪魔することの無い様、周辺に物を置かず、枯れ葉などのゴミがあればしっかりと除去しておきましょう。
入浴剤の種類に気をつける
お風呂に入れる入浴剤に関しては、使用しても問題ないものを選ぶことで寿命を伸ばすことにつながります。
市販されている「温泉の素」の中には硫黄が含まれており、循環機能タイプのバスタブと相性が大変悪く、風呂釜が錆びてしまう危険があります。
また、気持ちのいいシュワシュワ感で人気の炭酸ガス入浴剤は銅製の熱交換器を傷めたり、美容に良いとされるソルト系は塩分を含むため配管を劣化させたりするリスクがあります。
入浴剤を使う際は製品の説明書をよく読み、問題がないことを確認してから使用しましょう。
こまめな掃除やメンテナンスを行う
水垢や髪などをきちんと取り除くことで配管のつまりを予防できますし、日常的にこまめに掃除をすることで、バスタブや給湯器の異常に気づきやすくなります。
また、掃除後の洗剤はしっかり洗い流しておかないとつまりの原因となるので気をつけましょう。
台風や強い雨風のあとは、給湯器内部に溜まったゴミやホコリが水分を吸ってしまい、不具合の原因となることがありますので、使用時に違和感を覚えたら点検を依頼してもよいでしょう。
使用環境に合った号数の給湯器を使う
給湯器を購入または交換するときは、使用人数や頻度に合った能力がある給湯器を選びましょう。
例えば単身世帯なら16号ですみますが、同時に複数箇所でお湯を使うことがある4人家族などなら24号が必要です。
もし4人家族が16号を使い続ければ、前述したように過度な負荷をかけて劣化を早め、給湯器の寿命を縮めてしまいます。
また、海岸沿いや寒冷地にお住まいの場合は、塩害仕様や寒冷地仕様の給湯器を購入することで、給湯器を長期間、安全に使うことができます。
給湯器が壊れたときは早めに修理か交換を
給湯器の不具合を放置しておくと、ただ単に生活が不便になるだけでなく、事故が起こって命に危険が及んでしまうことも考えられるため、早めに修理または交換することをおすすめします。
疑問点や不明点があるときは、素人判断をするのではなくプロである業者やメーカーに相談しましょう。
給湯器専門業者の多くは無料見積を行っているため、点検も踏まえて一度相談してみるのも良いと思います。
ちなみに、水まわりのレスキューガイドでは給湯器の交換・修理を行ってくれるおすすめ業者を紹介しておりますので、こちらもぜひ参考にしてみてください。
▼水まわりのレスキューガイドがおすすめする水まわり業者はこちらから!
まとめ
ここまで、給湯器の不具合やトラブルの原因と対処法、長持ちさせるポイント、修理・交換の判断基準などをご紹介しました。
運悪く故障してしまったときは、自力で修理できるなら修理したいという気持ちもわきますが、給湯器は非常に取り扱いが難しく、余計に症状を悪化させてしまうおそれがあります。
無資格者が給湯器を分解したり修理したりすることは禁止されているため、故障してしまったらプロの業者やメーカーに問い合わせて修理・交換を依頼しましょう。
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