いま、年齢制限のある映画が女性に人気だ。それもバイオレンスな映画ではなく、セクシュアルなシーンが含まれる恋愛映画。決してセクシー映画のように官能的な作品ではなく、あくまでラブストーリーの最中に流れるシーンに女性は心惹かれている。

そんな映画を数多く観ているというのが、女優の今野杏南(こんの・あんな)さん。グラビアアイドルとして活躍し、男性を虜にしてきた彼女も、今年30歳を迎える。そして、新しく女優としての道を極めようと進み出した。

実は官能小説の執筆経験もあるという今野さん。仕事を通して、普通の女性が体験したことのない感情を知っている。そんな彼女だからこそ語れる、R18……ではなく“オトナ女子”向け映画の魅力を教えてもらった。

  • 今野杏南(こんの・あんな)
    1989年6月15日生まれ。神奈川県出身。ヴィズミック所属。現在は女優業を中心にTV、ラジオ、映画などで活躍中。官能小説家としてデビューした経歴も持つ。公式Twitterはこちら
    撮影:大塚素久(SYASYA)


どんなシーンがきても体当たりでぶつかる自信、あります

――今野さんは、映像配信サービス「ビデオマーケット」で配信されている“オトナ女子向け”映画をほぼ観ているそうですね。
※“オトナ女子”作品はこちら

はい、ほとんど視聴済みです。映画鑑賞は1番の趣味なんですよ。なかでも“オトナ女子”映画は大好きで、観ているといい意味で興奮する!(満面の笑顔で) 自分のなかで、ストレス発散になっています。

――何歳くらいから、そんなにお好きなんですか?

10代前半の頃からですね。昔はTVドラマでも、エッチなシーンが普通に流れていたじゃないですか。お父さんが気まずくなって、くしゃみをしてしまうような(笑)。でも、私にはそういう羞恥心がなかったんです。「こういう世界があるんだ」ってななめから見ているような、生意気な子どもでした。その感覚はいまでも変わらないです。

――グラビアアイドルから、徐々に女優としての仕事をメインにされている今野さんですが、映画を観つづけてきた経験は仕事へ生きていますか?

そうですね。まだ驚くような激しいシーンの経験はないんですが、もしもそういう役をいただけるなら躊躇なく踏み込みたい。何の抵抗もありません。


“女性にも読んでほしい”と思いながら、官能小説を書きました

――お仕事の話でいうと、かつて官能小説を執筆・発表されていますね。

はい。1作目は2014年に『撮られたい』を。この作品は漫画化もしていただきました。2作目は2016年に『水魚の交わり』を。こちらはデジタル小説としてリリースしています。

――なかなか珍しいご経験ですよね。書くに至ったきっかけは何だったのでしょうか。

もともと映画だけでなく、小説のなかでも“オトナ”な描写が好きで。官能小説もよく読んでいたんです。たまたま仕事で官能小説の表紙を飾らせていただいたとき、編集の方に「書いてみなよ」と言われたのがきっかけですね。書いたものを見てもらったら、そのまま話がトントンと進んでいきました。

――女性が官能小説を読むというのは、けっこうハードルが高い気がします。

そうですよね(笑)。でも性的な狙いで読んでいたわけではなくて、“オトナ女子”映画を観る感覚と同じです。普通にひとつの作品として捉えていました。だからこそ、自分が書くときにも男性だけではなくて、女性に読んでもらえるように意識しましたね。

――執筆されているときは、どのあたりが難しかったですか?

自分がもとから読んでいたからこそわかるんですが、一口に“セックス描写”とは言ってもいろんなパターンがあって。読んだ人が何かを掻き立てられるような、リアリティのある言葉や表現へ落とし込むのに苦戦しました。

――……まさか……小説にはご自身の体験も加わっている……? (ゴクリ)

とてもよく聞かれます(笑)。特に、『撮られたい』はグラビアアイドルの女の子とカメラマンさんの話だったので、「実体験なの?」という突っ込みが多かったですね。当時お仕事でご一緒したカメラマンさんは、みんなドキドキしながら撮影していたそうです(笑)。

主人公はグラビアアイドルなので、彼女が思ったり感じたりしていることには私の実体験が入っています。ただ、もちろん全部が全部リアルに起こったわけではありませんよ(笑)。友達の恋愛話、当時のマネージャーさんや編集の方など、周りにいる人から徹底的に取材した賜物です。


“オトナの恋愛”を模索中です

――続いて今野さんの恋愛感についてもお伺いしたいのですが、このまま進めるとなんだかエロい方向に進んでしまいそうで(笑)。

そうなんですよね。でも、私自身はすごく普通なんです(笑)。

――ちなみに現在、恋はされていますか。

いえ、いまはしていません。そのうち自然とできるかなとは思っているので、あまり焦ってはいないですね。

――今野さんは、実際に恋愛をするとどのような感じに?

うーん、それは自問自答中なんです。

――というと?

前の恋愛では、自分を見失うことが多くて……。私、普段はあまり感情を表に出さないんですよ。よく「しれっとしているね」って言われます。でも、そんな自分が元彼の前ではつい「キーッ」とヒステリックになってしまうことがあったんです。

そういう自分はなるべく鳴りを潜めていてほしくて、好きな人とは穏やかにすごしたい。それが理想なんですが、また恋をしたらそんな自分の一面が出てくるのかなと悩んでいます。なので、いまは“オトナの恋愛”というのを突き詰めていきたいなと……。

――“オトナの恋愛”って、あるのでしょうか……。

うーん、ないと思います(笑)。でも、私も今年で30歳になりますし、いつかは結婚も考える。ウキウキ気分の恋愛だけではダメなので、“オトナの恋愛”を探している最中です。同年代の女性も、きっと同じような思いを抱えているんじゃないでしょうか。だからこそ、様々な立場や性格の人が登場して、リアルな葛藤や焦燥に苛まれながらも恋愛を繰り広げる“オトナ女子”映画の需要が高いのかもしれません。

――たしかに。“オトナ女子”映画って、恋をしている人にとっては刺激的ですから。

そういう描写がある映画には、嘘がないんですよね。憧れも高揚感もリアルな温度も、全部がひとつの作品のなかに詰まっている。職業柄、「私ならどうやって演じよう」と勝手に妄想を掻き立てることもありますが、女性なら知っていてほしい“ときめき要素”が凝縮されています。ぜひ観てほしいな。


ストレス発散になるような、心地よいときめきを感じさせてくれるんです

女優、官能小説家、そして1人の女性として。いくつもの顔を持ちながら、自身について教えてくれた今野さん。本人もお好きという“オトナ女子”映画について、なかでもオススメしたい作品を教えてもらった。

そこのみにて光輝く

  • 『そこのみにて光輝く』

★あらすじ
仕事を辞め、職も探さずにパチンコ店に入り浸っていた主人公・佐藤達夫(綾野剛)は、ある日荒っぽいが人懐こい青年・大城拓児(菅田将暉)と出会う。拓児に誘われ彼の住むバラックに向かうと、そこには寝たきりの父親と介護に追われる母親、そして夜の街で働きながら一家を支える姉・千夏(池脇千鶴)の姿が。達夫は千夏に心惹かれていくのだが、大城家が抱える問題や、千夏の不倫相手である中島(高橋和也)の存在などに直面していく。

私、もともと池脇千鶴さんの大ファンなんです。そのなかでもこの作品を推したいのは、上澄みだけでは表現できないような、奥深いリアリティがあったから。印象的なのは、家庭環境が複雑な千夏と、今後の人生について途方に暮れる達夫が傷を舐め合うように抱き合って、行為が終わったあとに下着をつけているシーン。観ていて心拍数が上がりましたね。あとは、2人が海で抱き合いながらキスをするシーンも……きれいだったなあ。

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あゝ、荒野

  • 『あゝ、荒野』

★あらすじ
寺山修司の同名小説を映画化した本作。信頼する兄貴分の復讐を果たすべく生きる新次と、吃音と赤面対人恐怖症を抱えた内気な健二。偶然にも同じボクシングジムへと通うこととなった2人は、正反対の性格ながらも次第に友情を育んでいく。菅田将暉とヤク・イクチュンがW主演を務めた本作では、今野杏南も出演。体を張った演技が話題となった。

(恥ずかしそうに)僭越ながら、私も出演させていただいた作品です。ヤン・イクチュンさんのお相手となる女子大生の役だったんですが、抱えている闇が色々と多い女性でした。作中では大胆なシーンも多かったです。……でも、ここまで話したらわかると思うんですが、恥ずかしさはなかったですね。こんな作品に関われたことが本当に嬉しくて、私にとっても大切な作品になりましたので、ぜひ観ていただきたいです!

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(500)日のサマー

  • 『(500)日のサマー』

★あらすじ
ロサンゼルスのグリーティングカード会社で働くトムは、ぱっとしない毎日を送っていた。そんなある日、秘書として入社したサマーと出会い、一目惚れしてしまう。2人は好きな音楽をきっかけに意気投合し、トムはサマーに惹かれていることを告白。しかし、サマーの答えは「友達になりましょう」とのことだった。友情と恋愛の狭間で揺れ動く2人の500日間を描いた、切なくも恋のきらめきを感じられる作品。

恋を追いかけ続けて500日が過ぎて、結局好き同士だったのに実らなかったという切ない恋のお話です。つい、自分と照らし合わせちゃいました(笑)。私にも、「こんなに仲良しなんだから、付き合ったら楽しいかも!」と思える男友達がいたんですが、いつも恋のタイミングがズレる。相手に彼女がいるとき、私はフリー。私に彼氏がいれば、相手はフリー。それを繰り返して、映画と同じく実ることはなかったですね。

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ベガスの恋に勝つルール

  • 『ベガスの恋に勝つルール』

★あらすじ
ウォール街で働くキャリアウーマンのジョイは、完璧を求めすぎる性格が災いし、長年付き合った彼氏にフラれてしまう。同じころ、やりたいこともなくのうのうと暮らしていたジャックは、父親が経営する工場をクビに。2人は傷心旅行先のラスベガスで出会い意気投合した結果、酔った勢いで結婚!? 翌日我に返った2人はすぐさま離婚しようとするも、たまたま遊んだルーレットで300万ドルが当選。賞金の所有権を巡り、ジョイとジャックは半年間の結婚生活を余儀なくされることに……。

もうね、ジャック役のアシュトン・カッチャーが大好きなんですよ〜♡ 彼の出演作はすべてチェックしているんですが、なかでも彼の茶目っ気のある演技が光るのが『ベガスの恋に勝つルール』。お気に入りのシーンは、ジョイとジャックが相手に浮気させようと、お互いの友人を呼んでホームパーティを開くシーン。どんちゃん騒ぎに疲れた2人が洗面所で鉢合わせするんです。2人はお金目的で勢いのままに結婚したし、離婚したいと思っている最中。なのに、気が合ってしまった様子が可愛かった!

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アデル、ブルーは熱い色

  • 『アデル、ブルーは熱い色』

★あらすじ
高校2年生のアデルは、街で一瞬すれ違ったブルー髪の女性をなぜか忘れられずに、日常を過ごしていた。そんなとき、友人に誘われて向かったバーで、偶然にもブルー髪の女性・エマと再会。その後、2人は親密な関係となっていくが……。女性同士の愛をテーマとした本作では、写実的な性行為シーンも多く描かれている。

この作品をきっかけに、同性同士だとしても男女だとしても、恋愛の形はまったく変わらないということを教えてもらいました。むしろ、アデルとエマの間で紡がれる愛は、なんて素敵なものなんだと胸が高鳴りました。作中には、女性同士の激しい性行為シーンがあります。でも、主演女優のレア・セドゥのスタイルがあまりにも眩しくて、いやらしさなんて全くありませんでした。新しいタイプの“オトナ女子”映画かな。

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今野さんに紹介してもらった以外にも、動画配信サービス「ビデオマーケット」では“オトナ女子”向けの作品を多数配信中。恋がしたくなるような胸キュン必至の作品から、胸にずどんと突き刺さるような衝撃作まで、あなたの心を揺さぶる作品と出会うなら“いま”だ。


“オトナ女子”映画集

  • 『娼年』

  • 『彼女がその名を知らない鳥たち』

  • 『昼顔』

  • 『嘘を愛する女』

  • 『私の男』

  • 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』


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