投資に興味をもっている人でも、「eワラント」のことを知らない人は多い。今、お小遣い程度の少額で投資ができるとじわじわと人気が集まりつつある投資分野だ。
eワラントとは、簡単にいえば、「株式などを将来売買する権利」のこと。例えば「日経平均を15,000円で半年後に買う権利」に投資をする。投資した後に日経平均があがれば、そのeワラントの価格は他の条件が一定の場合に上昇する。逆に日経平均がさがれば、そのeワラントの価格も他の条件が一定の場合に下落する。満期日である半年後まで、上がり下がりするeワラントをうまく売買して利益を取るというのがeワラントの基本だ。eワラントという名前が示すように、インターネット取引専用の商品だ。
eワラント証券株式会社のWebサイト |
eワラントに人気が集まる6つの特長
なぜ、eワラントに人気が集まりつつあるのか。それは、昼間仕事をもっているビジネスパーソンにも投資がしやすい6つの特長をもっているからだ。
1.少額での投資ができる
eワラントの多くは1単位3円から7円前後で価格が推移している。購入は1,000単位ごとなので、3,000円から7,000円程度で投資が始められる。お小遣い感覚で投資ができるのが特長だ。
2.レバレッジが効いている
eワラントは、株式で3~10倍、為替レートで10~50倍(ワラントごとに異なる)のレバレッジがかけられている。つまり、レバレッジ50倍のeワラントを1万円買ったら、実は50万円の金融商品を買ったのと同じような経済的効果が得られるのだ。少額投資ながら大きな利益を狙える。ここが人気の秘密になっている。
3.損失が限定
レバレッジが効いているとなると、問題は損失も数倍になる可能性がある事。FXや先物取引などでは、この損失をカバーするために、証拠金を用意しなければならない。また、現在のポジションが損失をだしている場合、必要な追加証拠金を振り込まないと強制決済されて大損してしまう。FXや先物が「怖い」といわれるのは、次々と証拠金を追加していかなければならなくなることを指している。
ところが、eワラントの場合、このような証拠金は一切必要ない。余分な余裕資金を入金しておく必要もないし、強制決済を避けるために資金を追加する必要もない。最悪のケースでも、購入した資金がゼロになるだけ。購入した瞬間に、最大の損失額が限定される。ここが安心できる投資として、人気を呼んでいる。
4.取引時間は朝9時から夜11時50分まで
eワラントの取引時間は24時間ではなく、深夜から早朝は売買できない。これは一見不便なようで、昼間仕事のあるビジネスパーソンには割り切ればかえってありがたい。FXのように24時間取引が可能だと、夜自宅に帰ってからも値がどんどん動いていくので、深夜まで取引をすることになり、昼間の本業に支障をきたしてしまうこともある。
eワラントは深夜や土日祝日は売買できないので、値が動かない。そのため、昼間は休憩時間に値をチェックするにとどめ、夜、帰宅してからじっくりと考えて売買し、夜の12時には寝ることができる。
5.さまざまな対象のeワラントを購入できる
eワラントで用意されているのは、国内個別株、海外個別株、商品(石油など)、株価指数(日経平均、ニューヨークダウなど)、為替(ドル円など)などがあり、投資対象が多岐にわたっているのも便利な要素だ。
6.投資リスクが判断しやすい
eワラントは銘柄によってリスクの大きさが異なっている。たとえば、1単位1円未満といった単価の低いeワラントのほとんどはリスクが大きい(ただし期待できる利益も大きい)。逆に、1単位9円といったeワラントの中では単価の高いもののリスクは小さい(ただし期待できる利益も少ない)。
さらに、リスク度の目安が各eワラントの銘柄に付されている。もちろん、この情報だけでリスク度を計るのは危険なことだが、他の投資商品に比べて、素人にもリスク度が圧倒的にわかりやすいのだ。
ということで、今回は2万円という小さな資金で、実際にeワラントに投資をしてみた。この場合、先ほども述べたように最大損失は投資額までとなるので、損失は最大2万円と限定されている点は、初心者が投資を始めるのにありがたい。
eワラントを始めたばかりの方の注意点
初心者のeワラント投資で、注意することは2つ。
1.リスクの小さなeワラントを選ぶ
eワラントは値動きが大きいため、勝負が早くつく。わずか数日で、数十%も値動きすることも珍しくない。その分、利益も大きいが、損失も大きくなる可能性がある。そこで、証券会社が示すリスク度の指標、そしてeワラントの価格そのものでリスク度を判断して、はじめのうちはできるだけリスク度の小さなeワラントを選ぶ。
2.満期日が遠いものを選ぶ
他の条件が同じ場合、満期日の遠いeワラントの価格に比べて満期日の近いeワラントの価格は一般に激しく上下する。eワラントは「満期日に指定した価格で現物を売買することができる権利」なのだから、損益がはっきりし始めるからだ。利益がみこめるeワラントはその利益に見合った価格に、損失が考えられるワラントは価格がゼロ円に近づいていく。この満期日直前の相場を避けるために、初心者は満期日が遠いeワラントを購入して、早め早めに決済していくことをオススメする。
次ページでは、これらの点に注意しながら、実際に筆者がeワラントに挑戦した内容を紹介したい。