こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

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本連載では、これまでに数々のボーカロイド曲をご紹介してきました。

そこで皆さんはこう思ってはいないでしょうか。

「ボーカロイドってミクとかリンとかレンとか色々あるけど、結局何人(何体)くらいいるの?」──と。

そう、ボーカロイドって実は、けっこうな数が発売されているんですよね。そしてもちろん、それぞれに異なる声が設定されているわけです。

ということで今回は、そんな多種多様なボーカロイドたちと、その登場の経緯などを、ぼくのおすすめの動画と共に紹介していきたいと思います。



ニコニコ動画が誕生するはるか以前の2004年1月。すべての祖であり、ボーカロイドのアダムとでも呼ぶべき男性ボーカロイド「LEON」と、同じくイブに相当する女性ボーカロイド「LOLA」が発売になりました。

彼らは名前からわかるとおり、英語ライブラリの音声で作られており、また決まったイメージがないため、ニコ動のボーカロイド界隈ではややマイナーなキャラクターとなっています。

ちなみに使用されているボーカロイドエンジンは、現在主流の「VOCALOID2」の前バージョンとなる「VOCALOID」。

ボーカロイドエンジンって? という方のためにもう少し説明しておくと、そもそもボーカロイドの音声合成技術はヤマハが開発したものであり、それを応用してキャラクターを当てられたものが初音ミクだったり、鏡音リン・レンだったりするわけですね。

ですので、ボーカロイドは発売元が違っていても、いうなれば全員が兄弟のような存在といえるのです。


こちらはLEONとLOLAに次いで2004年7月に発売された、英語ボーカロイドの「MIRIAM」。やはり日本のボーカロイド組に比べると知名度はいまいちですが、ニコ動にはそれでもそれなりの数の楽曲が投稿されており、母国語なだけあって英語の発音はさすがだと思いますよ。



さて、日本で発売されたボーカロイド第一弾となったのは、艶やかな女性の声を備えた「MEIKO」でした。ボーカロイドエンジンには海外組と同じく「VOCALOID」が使われており、ニコニコ動画では後に発売された男性ボーカロイドの「KAITO」と一緒に、初音ミクファミリーの姉兄として位置づけられることが多いようです。

この二人については過去に記事で取り上げたことがありますので(※)、詳細はそちらをご覧ください。

【レポート】ボカロ初心者はぜひ! 初音ミクの兄姉たち──「MEIKO」と「KAITO」の歌声

ここまでが「VOCALOID」であり、そして時代はいよいよ「VOCALOID2」へと移っていくことになります。


まずは海外勢からご紹介しましょう。「VOCALOID2」を使用したスウェーデン製の英語ボーカロイド、「SweetAnn」。大人っぽい美声を持つ実力派ボーカロイドですが、ミクと登場タイミングが被っていたことや、いまいちキャラクターとして確立できていなかったことからニコニコ動画での人気は今ひとつといったところ。個人的にはもっと評価されてほしいボーカロイドです。


初音ミク。言わずと知れたボーカロイドブームの火付け役。もはや説明することは何もないのですが、発売から数年が経ち、新しいボーカロイドソフトが次々と発売されている中で、未だに投稿されるボカロ動画の多くが初音ミクである現状はさすがとしか言いようがありません。おそらく今後もボーカロイドの代表的なポジションとして、シーンを牽引していくことでしょう。


初音ミクの登場で一気に盛り上がったニコ動におけるボーカロイドカテゴリ。そのブームを受け止め、"初音ミク以後"のボカロシーンの立役者となったのが、ミクの弟妹分とも言える鏡音リン・レンの登場でした。二人が共演する動画も多数投稿されており、あるときは姉弟として、またあるときは恋人として、様々な視点から視聴者を楽しませてくれる存在となっています。なお、厳密にいうと鏡音リン・レンは発売から約半年後に一度バージョンアップされていますので、その前後のリン・レンを別物として扱う向きもあるようです。

【お詫びと訂正】本記事初出時は、リンとレンが公式設定で双子であるとしておりましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。

さて、ここまでが2004年~2007年に生を受けたボーカロイドたちとなります。

初音ミクのブレイク、そして鏡音リン・レンの登場を契機として、ボーカロイドシーンは混沌の時代に突入するのですが、それについては後編で見ていくことにしましょう。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。
(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。