Z世代のお金の悩みに、節約アドバイザーの丸山晴美さんが答えます。今回は、ハイリスクな投資運用について教えていただきました。

Q.「資産運用で稼いでいる」なんて話を聞くとうらやましいです。やるなら儲けたいです。ハイリスクな投資にチャレンジしてみたいのですが、気をつけることはありますか?

ハイリスクな投資運用は、大きく利益が出る可能性がある反面、大きく損失が出るリスク(危険性)もはらんでいます。まずはそのことを理解しながらご自身がどれだけリスクが取れるかを考えて、リスクに見合った商品を見つけることです。

元本がゼロになっても問題ない程度の投資額であれば、ある程度リスク性のある商品で投資運用をすることは可能ですが、証拠金取引のように高いレバレッジをかけて一か八かの大博打のような投資は、大きな負債を抱える要因にもなりますので、やるべきではありません。

そして人の投資で儲けた話は、話半分に聞くようにしましょう。その理由として人は、儲かったときの話はしますが、損をしたときの話はしないものです。そのときは1,000万円儲かっていたとしても、その前に2,000万円の損失を出していたかもしれません。また、多くの人が儲かった話をする頃がその相場の天井であるとも言われます。残念ですが、周囲が株で儲かった話をしているときは、焦ってむやみやたらに投資を始めないようにしましょう。

当然ですが、元本保証、高利回りの金融商品は今どき存在しませんので、詐欺だと思っていいでしょう。投資をしていると、ときどきそんな甘い話をしてくる人もいますが、特に社会経験が少ない人や、昔の高金利時代が忘れられない世代が狙われやすいので、世の中は良い人ばかりではないということは、肝に銘じておきましょう。

投資で利益を出す方法のひとつに、安いときに買って、高い時に売り逃げることです。投資で難しいと言われるのがこの売買タイミングです。この売買タイミングを見極めるために、トレンド分析などのテクニカル分析を使用します。それでも連戦連勝は難しいのです。もちろん、投資で連戦連勝をする必要はありません。全体でプラスになればよいのです。

仮に株で運用をする場合、まずは何を基準にしてどの銘柄をいくらで買うのか。など、自分なりの指標を使いながら判断をしていくかと思います。その際、この企業は有名だから、○○さんが儲かったから……などと言う理由で投資をして、簡単に儲かるほど甘くはありません。でもときどき、ビギナーズラックを発動させてしまう方が、いらっしゃるんですよね。それはそうと置いておいて、銘柄を選ぶ際は、企業の財務状況や業績などファンダメンタル分析を行うのが一般的です。ネット証券などには無料の分析ツールが充実していますので、活用することをおすすめします。

投資に興味を持つことはとてもよいことですので、まずは証券口座を開設して、投資をするためのタネ銭をプールしておき、いつでも投資ができる準備をしておきましょう。

しつこいようですが、投資は一か八かの丁半博打ではありません。そしてギャンブルには中毒性があり、身を滅ぼす危険性が高いので、質問者さんがおっしゃるようなギャンブル性のあるハイリスクな投資は避けるべきです。ギャンブルのような投資をすると、常に値動きが気になってしまい、仕事にも差し支える場合があり、本業がおろそかになりかねません。

投資をするなら「長期」(長期間)「積立」(毎月一定額を積み立てる)「分散」(商品などをいくつかの投資先に分散させる。期間を分散させるなど)をすることで、元本が減るリスクを減らし、長期的にプラスに導く投資方法です。

まだ質問者さんは若いです。若いうちは多少の投資のリスクは取れますので、ある程度値動きのある商品をいくつかに分けて積み立てをしながら運用してみてはいかがでしょうか。

投資の勉強をしたり、銘柄を選んだり、適宜銘柄を入れ替えたり、時にはロスカットをするなどの作業が面倒だなと感じたら、金融アルゴリズムに基づいたプログラミングで自動的に運用をしてくれる「ロボ投資」も一案です。最初にどれだけリスクが取れるのか「リスク許容度チェック」をしてくれ、自分に合った運用方法を提案してくれます。あとは毎月積み立てながら放っておくだけで、お金が働いてくれるのでラクです。

そんな眠たい話じゃなくて、ガンガン投資がしたいんだ! といった情熱があるなら、この夏のボーナスを元金にしてチャレンジしてみてもいいですね。何事も体験してみることが大切です。ただし、大切なことなので何度も言いますが、証拠金取引のように1しかない元本を100倍にして投資運用するようなことはやめるべきです。場合によっては取り返しのつかないことになりかねません。また、これから投資をしようとする商品がどんなもので、どのようなリスクがあるのかなどもしっかりと情報を取るようにしましょう。

そして、投資運用で利益が出た場合は、利益に対して税金がかかります。運用する商品によっても課税方法が異なります。株式投資などをする場合は、節税効果のあるNISA口座や、確定申告が不要になる特定口座(源泉あり)で運用する方法がありますが、それぞれの口座の特徴とメリットデメリットなども知ってから、口座を開設しても損はありませんよ。