忙しい毎日が続くと、朝起きてからぼーっと過ごしてしまいがちです。自分は集中できていないのに、周りの人は朝からバリバリ仕事をこなしている、そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。眠たくても、朝から集中力を高めるためには、どうしたらよいのか、食事から解決する方法をお伝えします。
脳を起こすには朝食を食べる!
集中力を高めるためには、脳の働きが大切になります。脳は寝ている間も休むことなく働き続けていて、エネルギー消費量は全身の20%にもなります。脳が夜中でも働くことができるのは、夕食で摂ったブドウ糖を使っているからです。朝の脳は、エネルギー不足状態ですので、脳のためのエネルギーをしっかり摂るようにしないと、集中力が高まらずに、イライラしてしまうことになります。
このエネルギー補給に大切なのは、朝食を食べることです。朝食を食べないと、脳だけでなく、体を動かすエネルギーが不足して体が重く、だるい、疲れやすい、頭が働かないなど仕事に集中することができません。
朝食は体内時計を整える
朝ごはんを食べることは、体調と関係が深い体内時計を正常に動かすことにもつながります。朝起きてから、1時間以内に朝日を浴びて、朝ごはんを食べることが体内時計を正しく動かすことにつながります。体内時計を正常に動かすと、目覚めがよく、やる気もでるようになります。
朝日を浴びる方法は、カーテンを開けるだけです。寝る時間が遅くなっても、同じ時間に目覚めて、朝日を浴びることで、体内時計のリセットになります。くもりでもよいので、朝日を浴びましょう。そして、朝ごはんを食べることが大切です。
朝ごはんは、頭と体を目覚めさせてくれます。ここで時間がないという方でも簡単に用意できる朝ごはんをご紹介しましょう。
脳を目覚めさせるにはおにぎりを食べよう
ご飯やパンなどに多く含まれる炭水化物は、脳のエネルギー源となります。おにぎりは、炭水化物をとるために最適なメニューです。食欲がないときにも食べやすく、コンビニなどでも手軽に購入することができます。また、前日に握っておけば、朝温めて食べることもできます。
おにぎりはたんぱく質がとれるものを!
おにぎりを選ぶときは、具なしおにぎりにすると、炭水化物だけをとることになり、血糖値を急激に上げてしまいます。血糖値を急激に上げることで、一時的に脳は活性化するのですが、その後、インスリンが分泌されて、急降下してしまいます。そうすると、イライラしたり、集中力がなくなったり、疲れやすくなってしまう原因になります。
鮭、ツナ、納豆などたんぱく質がとれる具材が入ったものを選ぶのがオススメです。たんぱく質は、筋肉の材料となり、血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。また、腹持ちもよくなりますので、空腹を感じにくくしてくれます。
白米よりは胚芽米、発芽玄米を!
ご飯は、白米ではなく、発芽玄米や胚芽米などにすることで、ブドウ糖をエネルギーに変えるために欠かせない、ビタミンB群、神経伝達物質のギャバを摂り入れることもできます。自宅でご飯を炊くときに、炊飯器にそのまま混ぜて炊くだけといった手軽に使える商品もありますので、利用してみると良いでしょう。
白米だけでなく、胚芽米、発芽玄米を混ぜて炊く、たんぱく質がとれる具材のおにぎりを選ぶことで、よく噛むことにつながります。噛むことは、脳の血流をよくして、活性化してくれる効果が期待できますので、集中力を高めることができます。また、ご飯は、腹持ちもよく、ブドウ糖を長時間にわたって安定して脳に送ることができます。気持ちよく一日をスタートするためにも、朝食を食べることから始めていきましょう。
筆者プロフィール: 岡田明子
管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『朝だから効くダイエットジュース』(池田書店)など。