職場復帰後はフルタイム勤務? 時短勤務?

産休・育休から復帰するにあたって、フルタイム勤務と時短勤務のどちらを選択するか悩む人は多いのではないでしょうか。特に初めての産後復帰だったり、社内に事例となる先輩ママがいなかったりした場合、どのように判断すればいいのかわからないかもしれません。

今回は、マクロミルが産休・育休復帰後2年以内である20~49歳の女性380人(時短勤務者とフルタイム勤務者それぞれ190人ずつ)を対象に行った「産休・育休後の復職(ワーキングマザー)に関する自主調査」(調査期間: 2016年4月25日~5月2日)の結果をもとに、仕事への満足度の観点からそれぞれの働き方の選択肢について考えてみます。

フルタイム勤務者、半数以上が仕事の満足度「変わらない」

同調査では、復帰後の仕事への総合的な満足度として「満足している」と回答した割合は、フルタイム勤務者で69%、時短勤務者で78%と、時短勤務者の方が満足している人の割合が高いという結果となりました。しかし筆者が注目したいのは、仕事への満足度が職場復帰前後でどのように変化したかを示す調査結果です。

「現在のお仕事への総合的な満足度は、妊娠前(産休・育休前)から変わりましたか」(マクロミル「産休・育休後の復職(ワーキングマザー)に関する自主調査」より)

産前・産後と変わらずフルタイム勤務であった場合、仕事に対する総合的な満足度は「産休・育休前と変わらない」と回答した人の割合が57.9%となりました。出産という大きなライフイベントと長期のブランク(産休・育休)を経ても、以前通りの働き方が実現できているということであり、いい意味で変わらない環境が得られているとみることができます。当たり前のようですが「出産後も出産前と同様に働ける」というのは、子育てしながら働き続けていく上では心強い環境なのではないでしょうか。

一方で、出産後にフルタイム勤務から時短勤務に働き方を変えた場合はどうかというと、「以前と変わらない」と回答した人が34.2%なのに対して、「より上がった」(36.3%)、「より下がった」(29.5%)と、いずれかの変化を感じている人の割合が大きいという結果になっています。

時短勤務者は満足度の「変化」に注意

もし満足度が上がったことの要因が時短勤務に切り替えたことだとすると、今後、時短勤務を利用できる期間(一般的には3年程度)を終えてフルタイム勤務に戻った際も、この満足度を維持できるかが課題となります。フルタイム勤務に戻すということは、想像以上に大変。3年が経過したからといって、急に子育てが楽になるわけでも、保育園のお迎えの時間をのばせるわけでもないからです。

時短勤務を選択して満足度が上がったという人も、その後のフルタイム勤務への移行をスムーズに行うことを念頭において、時短勤務の期間を過ごしてもらいたいと思います。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年に株式会社ここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。
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